新しいITインフラストラクチャーで基盤となるのは「VDI&DaaS」

 ハイブリッドクラウドITモデルによるデジタルワークスタイル変革を支えるのが、「VDI」(仮想化デスクトップインフラストラクチャー)と、DaaS(Desktop as a Service)です。

VDI:サーバ上に構築された仮想デスクトップ環境をネットワーク経由でクライアント端末から呼び出し利用する仕組み

DaaS:クラウド上に構築された仮想デスクトップ環境をネットワーク経由でクライアント端末から呼び出し利用する仕組み

 この二つは、データセンター(サーバー)もしくはクラウドで運用されるデスクトップ仮想OSへネットワーク越しにアクセスするITインフラであり、セキュアで場所を選ばないという特徴を持ちます。かつては「使いにくい」「遅い」という評価もありましたが、近年はテクノロジーの進歩により、「使いにくい」「遅い」というデメリットは感じることなく利用できるようになっています。

 しかし、一般的なVDIやDaaSには、まだデメリットがあります。仮想デスクトップ環境を構築するデータセンターには、大きな先行投資が必要です。また、クラウドに関しては、使った分だけコストが発生するため必要なコストが分かりにくく、さらにセキュリティーや規制への対応についても不安が付きまといます。そこで当社は、このいずれをも解決するテクノロジーを開発・提供しています。

VDI&DaaSのデメリットを解消

 まずは、データセンターをクラウドに拡張させるソリューションとして「Nutanix HCI」をご紹介します。

 一般的にHCIとは「ハイパー・コンバージド・インフラストラクチャー」の頭文字をとった仮想化基盤を指しますが、当社の場合は「ハイブリッド・クラウド・インフラストラクチャー」のことを指し、ハイブリッドクラウドを実現するテクノロジーとしてHCIを進化させています。

 当社「Nutanix Clusters on AWS」では、データセンターにNutanixプライベートクラウドを構築するのと同様、非常にシンプルで使いやすい「Prism」というコンソールからオンプレミス操作と同じ使い勝手で、AWS上にもNutanixクラウドプラットフォームをつくることができます。

 次に、クラウド側からデータセンターと連携していくソリューションである「Nutanix Frame」。ユーザーのあらゆるデバイス上のブラウザにWindowsアプリケーションとデスクトップを配信するセキュアなクラウドプラットフォームです。Nutanix Frameによってブラウザを搭載したあらゆる端末にデスクトップの画面を送ることが可能になります。さまざまなデバイスを管理する煩わしさもなく、自宅などにある手持ちのデバイスをそのまま業務に使うことも可能になります。

 同じ環境をオンプレミス環境(データセンター)に用意するのであれば、ピーク時に合わせた運用とコストのマネジメントが必要になりますが、Nutanix Frameはクラウド上に構築されるため、使った分だけのコストで、運用がしやすいという利点があります。