ニューノーマルに対応した、陳腐化しないデータドリブンのDXを確立する

 さて、今もなお急激かつ非連続な変化は続いています。しかしながらその一方で、どの企業においてもこの後の世界、いわゆるニューノーマルと呼ばれる世界に向けた新たなビジネスの枠組み確立のためのDXを継続して推し進めなければいけません。

 そこで、強く求められるのが「Digital Innovation=革新的な価値創出」のためのDXです。先ほどお話をした「Digital Resiliency=事業継続性担保」の取り組みを進めると同時に、並行して革新的価値創出のためのDXに取り組んでいく必要があります。

 これまでも多くの企業がこのDXに取り組んできていらっしゃると思います。しかしながらその一方で、その取り組みの成果に満足していないとおっしゃる企業が多く存在することも事実です。では、なぜこのDXの取り組みがうまくいかないのでしょうか。

 その一つの理由が、DXという名の下で、新たなビジネスの取り組みごとにシステムが分割されて構築され、データとシステムのサイロ化が進んでしまったことであると考えています。従来のアーキテクチャとは異なり、思い思いの発想をベースにした仕組みや技術がバラバラに同居する状況が発生してしまったわけです。

 そしてもう一つは、従来の業務を支える統合プラットフォームと、新たな取り組みとして構築されたDXのシステムが分断化されてしまったことにあると考えています。「既存の枠に囚われずに新たな価値を創出するイノベーション」へチャレンジしようとすれば、従来のレガシー化したシステムとは遊離した環境で行われがちにもなります。それにより、せっかくDXの新たな取り組みとして進めたとしても、システムやデータが分断化、サイロ化されてしまい、全社レベルのイノベーションにはつながらず陳腐化してしまったことも大きな原因といえるでしょう。

 では、どのようにして取り組むべきなのでしょうか。われわれは基幹業務を支えるシステムと新たなDXのためのシステムが同一プラットフォームで動き、かつ両面から生まれるデータを統合させ、その統合されたデータに基づいたデータドリブンな意思決定と価値創出を実現することができるプラットフォームが必要であると考えています。そのためにもまずは従来のアーキテクチャで構築された基幹システムを、クラウドを用いた最新化されたアーキテクチャに構築する。それによりTCO(総コスト)を削減し、その削減で生まれた新たな経営資源を用いて、新しいDXの施策につなげる。私たちはそのようなプラットフォームを「データドリブンDXプラットフォーム」と位置づけ、そのクラウド基盤を支えるOracle Cloud Infrastructureの提供を通じて、多くのお客様の「データドリブンによるDX」のご支援をさせていただいてきています。

 では、この「データドリブンDXプラットフォーム」を支えるクラウド基盤であるOracle Cloud Infrastructureにはどのような特徴があるのでしょうか。大きく3つの特徴があります。

(1)より良いサービスを適切な価格で
(2)より堅牢なセキュリティの実現
(3)よりデータ活用に最適な環境

 (1)については圧倒的に優位性のある価格でのクラウド環境を提供しております。代表的な他社と比較しても、仮想マシンコンピュートで-33%、ブロックストレージで-97%、ネットワークで-96%といった大幅な低価格で提供しております。その一方で、クラウド環境の最も重要な要素であるネットワークインフラ基盤には多大な投資をしており、高性能のパフォーマンスを安定して提供できる環境を実現しております。

 圧倒的なコストパフォーマンスだけではありません。(2)としては、クラウド活用においてセキュリティを最優先すべきと考え、当社のクラウド環境は、設計段階から堅牢なセキュリティをクラウド環境に組み込むというセキュリティ・バイ・デザインの設計に基づいて構築されています。また、ゼロトラストに必要となる最深部のデータ層を中心とした多層防御を実現し、データ中心の堅牢なセキュリティを実現しております。

 (3)においては、データドリブンなDXに求められる複雑かつ多様なデータの種類や活用要件に対し、1つのデータベースに集約するという“コンバージド・データベース”により、データドリブンなDXの簡素化、低コスト化、短期間化を同時に実現しています。さらには、AIや機械学習を用いることで人手を介さない自律的なデータベースの運用管理を実現するOracle Autonomous Databaseにより、システムの管理コストとリスクを削減し、データドリブンのデジタルトランスフォーメーションをさらに加速するご支援をさせていただいております。

 もちろん、AIやブロックチェーン、チャットボットなどの最新技術のサービスも提供しており、例えば大手新聞社のAI活用による見出し自動生成や、地域活性化事業におけるブロックチェーン活用、公共機関におけるAIチャットボット・サービスの実装、大手エネルギー会社のコンテナ/サーバレス技術の活用など、最新技術を活用したお客様のイノベーションを数多くご支援させていただいています。