freee株式会社 プロダクトマーケティングマネージャー 尾籠 威則 氏

本コンテンツは、2020年6月26日に全編オンラインで開催されたJBpress主催「Workstyle Innovation Forum 2020 <夏>生産性を高め、イノベーションを創発する!“経営戦略”としてのワークスタイル変革」での講演内容を採録したものです。

2月には全社フルリモートを決定。4カ月間の全社員テレワークを敢行したfreee

 今回の新型コロナウイルスの影響により、ワークスタイル変革を緊急性の高い課題として再認識し、真剣に取り組み始めた企業は多数あるかと思います。

 また、この期間に在宅ワークを実践した企業では、いくつもの具体的課題が浮上していると聞きます。そして、その課題の多くが社内コミュニケーションや、これに基づいてオフライン環境下で実行されてきた諸業務に関する問題点のようです。

 そこで本日は、私たちfreee自体が実践しているテレワーク上の工夫や課題解決の施策をご紹介し、変革期における最適な社内コミュニケーションの在り方について、ご提案できればと思います。

 まず、freeeがいかに前向きにリモートワークと向き合ってきたのかを、今年2月からの経緯とともにお話します。2月16日、厚生労働省は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて緊急記者会見を開きましたが、その翌々日である18日に当社は希望者によるリモートワーク実行を開始しました。

 2月27日には全国の学校が一斉休校を始めましたが、freeeは翌28日には約500名の全社員によるフルリモート態勢に入ることを決定。週明けの3月2日にはこれを実行に移し、先日までの約4カ月間、継続してきました。

 注目いただきたいのは、日々状況が変化していた今年の前半期、freeeが世の中の動きに柔軟に応じつつ、その都度スピーディーな決定と実行を繰り返してきたという点です。

 社会生活全般が刻々と外出自粛へと進んでいくプロセスにおいて、世の中に重要な動きがあった数日後にはfreeeも社内の体制を変えてきたのです。そして2月という早いタイミングで全社フルリモートという大胆な決定をするに至りました。

 こうした迅速な対応がなぜ可能だったのか。背景には、freeeが新型コロナウイルスとは無関係にリモートワーク環境の整備を推進し必要となるソフトウェア、ハードウェアを日頃から活用していたこともありますが、それだけではこれほどのアジリティにはつながりません。働き方の基軸となる行動指針を共有できていたことこそが最大の勝因だと考えています。

アジャイルな働き方転換を成し得た最大の要因は「行動指針の共有」

 当社には2つの原則と5つの価値基準という行動指針が創業時からあり、これを全社員で共有しています。そして今回の対応で特に大きかったのが、この7つの内の以下の2つです。

●ムーブメント型チーム
 ミッションに共感し集まった仲間たちが自律的にアクションを起こす。その熱狂が伝播することで、より良い相乗効果を生み出していく集団である

●あえて、共有する
 人とチームを知る。知られるように共有する。オープンにフィードバックしあうことで一緒に成長する

 普段から「ムーブメント型チーム」であろうという働き方をしてきたおかげで、テレワーク下でもチームの垣根を超えた活発なコミュニケーションを躊躇なく進めることができました。

 そして「あえて、共有する」のカルチャーが浸透していたおかげで、face to faceではなくとも、皆が気軽にオンラインによる情報共有を当たり前のこととして行うことができました。

 ソフトやデバイス、通信回線などリモートワークに必要となる技術的なインフラが整備されていたのも、こうした価値基準、行動指針が企業カルチャーとして根づいていたからなのです。

 ワークスタイルの変革を本格化しようという企業ではともすると手段として用いるハード面にばかり気持ちが行きがちですが、何より最優先すべきは、そうしたハード面の利用者である社員が行動上の基準と指針を共有していくこと。私たちはそう捉えています。

 慣れない環境においてもコミュニケーションを円滑に継続していくには、ハード面よりもまず社員のマインドセット上の環境整備が不可欠だと考えます。

社内コミュニケーションとは「相談・親睦」、「共有」、「稟議」の3局面

次に、そもそも社内コミュニケーションとは何なのかを考えましょう。freeeではこれを「相談・親睦」、「共有」、「稟議」の3つに大別しています。

 相談・親睦とは、1on1あるいはチーム内で日常的に行われる雑談も含めたコミュニケーション。これが充実すればするほど、業務遂行も順調に進みますし、チーム内の結束や絆も深まっていきます。

 共有とは、日々の事務連絡を含む情報共有のためのコミュニケーション。また体験談の共有が人材の育成につながったり、進捗状況の共有がベターな判断へつながっています。

 稟議とは、文字通り購買申請や勤怠申請など、企業として残すべきエビデンスを記録していくためのコミュニケーション。そのプロセスをダイナミックかつアジャイルに変革していくことができれば、経営上の意思決定スピードも劇的に上げていけるものです。

 3つの中でも、よりストック性の高いコミュニケーションが稟議の局面であり、より親密性の高いコミュニケーションが相談・親睦というように、それぞれ特性の異なる3大要素。

 これらを偏りなく既存のオフライン・コミュニケーションからオンラインモードへとスムーズに変換することが理想形ということになります。決して容易ではありませんが、もしも実現できたならフルリモートワークにおいても社内コミュニケーションの質を落とすことなく継続できるというわけです。

 そこで、当社は以上の3要素の特性を以下のように分類しました。

●相談・親睦
 特定少数&クローズドなコミュニケーション。情報の流動性は高い。

●共有
 特定大多数&オープンなコミュニケーション。情報のストック性は高い。

●稟議
 特定少数&クローズドなコミュニケーション。情報のストック性は高い。

3局面それぞれに最適なツール選択し、その活用を定着化する

 ここまで社内コミュニケーションの中身を分類、分析できてしまえば、あとはそれぞれの特性・特質に見合うプラットフォームやツールを日常業務に根づかせていけば良いわけです。参考までにfreeeが新型コロナウイルスとは無関係に早くから導入を進めてきたテクノロジーは以下の通りです。

●相談・親睦
 Zoom、Google Meet、Workplaceチャット、Slack、Remo

●共有
 Workplace

●稟議
 会計freee、人事労務freee

 通常勤務モードの時から以上のツールやソリューションを普段使いしてきたおかげで、フルリモートという状況の中でも、精神的なコミュニケーションの壁は発生しにくかったと考えています。

 例えばGoogle Meetなどを用いて毎日TV会議を実施し「相談・親睦」の輪を維持している他、Remo社提供のプラットフォームによる仮想asobibaを試験導入して、オフライン同様の偶発的出会いから発生するコミュニケーションの誘導を試みたところ、これも好評を得ています。

 一方、「共有」の側面では社内SNSであるWorkplaceを介した情報共有がすでに社内で普及しており、フルリモート状況の時にも熱意や創意の共有、あるいはナレッジの社内発信の場としても機能していました。このWorkplaceを用いた全社会議も毎週実行し、ストリーミング配信で今も共有しています。

「稟議」の局面では、自社ツールを最大活用。人事労務freeeでは日々の勤怠申請がオンライン上で可能ですし、会計freeeを用いたワークフローによって、事前稟議、支払依頼などの業務も何ら問題を起こさずにスムーズに進行していきました。

 押印のために出社が必要になってしまうような事態も完全に回避できています。また経費精算のようにデイリーに発生し、申請から入金までの処理が面倒な局面においても滞りなく対応できています。

 モバイルでの操作も可能ですし、交通費などは行き先を入力するだけで経路や金額の候補が表示される体制を整えていますので、外出自粛後のwithコロナ、afterコロナの局面においても、業務スピードを安定的に高めていくことができるのです。

 リモート、非リモートの区別なく、会計業務ではバックオフィス側と営業などのフロントオフィス側とのコミュニケーションが必須となるわけですが、会計freeeを用いれば証憑受領を伴う月次のワークフローにおいても、プラットフォーム上であらゆる申請や受容、意思決定や支払といった実務を進めていくことが可能になります。


「テレワークを伴うワークスタイル変革では、コミュニケーション上の課題が山積」と言われる昨今ではありますが、コミュニケーションの質や特性を見極め、それぞれに適したツールやソリューションを、非常時のみならず日常業務から浸透させていけば、決して解決できない課題ではありません。

 私たちは、自らの経験も踏まえてそう確信しています。もちろん、すべての社員が行動指針や価値観を共有できていることが大前提となりますが、そのための施策も含め、freeeでは今後も多くの企業の変革に役立つご提案をしてきたいと考えています。

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