本コンテンツは、2019年9月24日に開催された「Workstyle Innovation Forum 2019」での講演内容を採録したものです。

ServiceNow Japan株式会社 社長 村瀬 将思 氏

社員に対して卓越したエクスペリエンスを
提供する必要がある

 本日は働き方改革をテーマにしたセッションが続いています。ここで会場の皆さんに質問をしたいと思います。皆さんの会社ですでに働き方改革に取り組んでいるという方は挙手してください。ほぼ全員ですね。それでは、その取り組みが労働生産性の向上につながっているという方はもう一度手を挙げてください。わずか3人になりましたね。

 働き方改革で時短勤務など労働環境の改善を進めている企業は多いと思います。しかし本日の講演では、労働環境の改善という話だけではなく、労働生産性の観点からその取り組みを広げてほしいという話をしたいと思います。

 今、日本の国内総生産(GDP)が世界で何位かご存じでしょうか。そう、3位です。ただし1位の米国、2位の中国には大きく水をあけられています。さらにGDPを人口で割ると労働生産性になりますが、日本の労働生産性は先進国の中で最下位です。数字だけを比較すると農業大国のニュージーランドよりも低いのです。

 その意味でも、働き方改革は労働環境の改善だけでなく、生産性の向上を目指すべきです。そして、そのために必要なのがデジタル変革です。

 働き方改革は経営者のために行うものでもなく、株主のために行うものでもありません。社員一人一人のために行うのが働き方改革であり、社員一人一人の業務が便利になり、やりがいを感じるものでなければなりません。すなわち、企業が自社のさまざまな業務において、社員に対して卓越したエクスペリエンスを提供する必要があるのです。