本コンテンツは、2019年9月24日に開催された「Workstyle Innovation Forum 2019」での講演内容を採録したものです。

ServiceNow Japan株式会社 社長 村瀬 将思 氏

社員に対して卓越したエクスペリエンスを
提供する必要がある

 本日は働き方改革をテーマにしたセッションが続いています。ここで会場の皆さんに質問をしたいと思います。皆さんの会社ですでに働き方改革に取り組んでいるという方は挙手してください。ほぼ全員ですね。それでは、その取り組みが労働生産性の向上につながっているという方はもう一度手を挙げてください。わずか3人になりましたね。

 働き方改革で時短勤務など労働環境の改善を進めている企業は多いと思います。しかし本日の講演では、労働環境の改善という話だけではなく、労働生産性の観点からその取り組みを広げてほしいという話をしたいと思います。

 今、日本の国内総生産(GDP)が世界で何位かご存じでしょうか。そう、3位です。ただし1位の米国、2位の中国には大きく水をあけられています。さらにGDPを人口で割ると労働生産性になりますが、日本の労働生産性は先進国の中で最下位です。数字だけを比較すると農業大国のニュージーランドよりも低いのです。

 その意味でも、働き方改革は労働環境の改善だけでなく、生産性の向上を目指すべきです。そして、そのために必要なのがデジタル変革です。

 働き方改革は経営者のために行うものでもなく、株主のために行うものでもありません。社員一人一人のために行うのが働き方改革であり、社員一人一人の業務が便利になり、やりがいを感じるものでなければなりません。すなわち、企業が自社のさまざまな業務において、社員に対して卓越したエクスペリエンスを提供する必要があるのです。

デジタル・ディスラプターの登場で、
消費者としての生活は格段に便利に

 考えてみればこの10年間、消費者のユーザーエクスペリエンスは格段に向上しました。自宅でソファに横になりながらクリックひとつで買い物ができるようになり、新聞や雑誌はタブレット端末で読むことができるようになりました。大量の映画やドラマをスマートフォンでいつでも見ることができ、スマートフォンでタクシーを呼ぶことや、その支払いまでできるようになりました。

 これらの革新的なサービスを提供しているのがAmazonやNetflix、Uberなどデジタル・ディスラプターと呼ばれる企業です。

 彼らの提供するサービスは「消費者としての生活(Life at home)」を大きく変えました。

 まずは「自分仕様の情報」です。かつて新聞を読むには1面から順に読んでいくのが一般的でしたが、今では気になるキーワードを検索し、好きな記事だけを読むようになりました。さらに、自分用にカテゴライズされた紙面が自動的に作られます。2つ目は「裏処理の自動化」です。Amazonなどで買い物をすると裏では在庫システムから配送まで、複雑で膨大なシステムが動いています。しかし、消費者はこれらを意識せずにクリックひとつでモノを買うことができます。3つ目は「決済の自動化」です。昔は通販でモノを購入するには事前に銀行や郵便局などで料金を払い込む必要がありました。しかし、今ではクレジットカードなどを事前に登録しておけば、自動で決済が行われます。

 これら3つの他、最近ではモバイル・インフラが普及し、「いつでも・どこでも」サービスを利用できるようになっています。

「会社員としての生活」もプラットフォーム化すべき

 多くの人は「価格が安いから」という理由でAmazonを利用しているわけではありません。便利だから利用しているのです。その付加価値を生んでいるのが、彼らのデジタル・プラットフォームです。商品の検索から購入、決済、配送までのワークフローを作り、これをプラットフォームに乗せて提供しています。これが、ユーザーエクスペリエンスにつながっているのです。

 私たちServiceNowは、「消費者としての生活(Life at home)」ならぬ「会社員としての生活(Life at work)」のためのプラットフォームを提供できないかという考えから生まれた企業です。

「消費者としての生活」は日々便利になっているのに、「会社員としての生活」は旧態依然としています。ある業務を行おうとしても、情報がどこにあるのか分からず、同じことをいろいろな部署に尋ねないといけない、ということがよくあります。

 これが先ほどの「消費者としての生活」のように変化したらどうでしょうか。まず「自分仕様の情報」では、業務に必要な情報をプッシュ型で教えてくれたり、検索しなくても自動的に出てくるようにすれば働き方は変わるでしょう。2つ目の「裏処理の自動化」は、例えば、中途社員が入社したときに、PCはIT部門、名刺は総務部門、入館証はセキュリティの部門など複数の部門に別々に依頼するのは面倒です。これが、業務システム側で自動処理を行い、複数の部門で横断的に処理ができれば非常に便利になります。3つ目の「承認の自動化」も、出張旅費の申請などが自動化できれば「スタンプラリー」と呼ばれるような複雑な申請プロセスを無くすことができますし、承認する上司の負担も減るでしょう。

社員を雑務から解放し、創造的な働き方に変える

 ServiceNowの大きな特長は、企業の中で動いている現行のシステムの上にプラットフォームをかぶせることができることです。Amazonでは配下でさまざまなシステムが実装されていますが、ユーザーはそれを意識する必要はありません。

 ServiceNowでも、ユーザーすなわち社員の皆さんから見れば、社内のポータルサイトに入れば、ServiceNowの配下のいろいろなシステムに別々にログインしなくても日々の業務が賄えるようになります。

 ここで気を付けなければならないのは、各部署でそれぞれのシステムを持ち、それがサイロ化していることです。これらを別々にデジタル化するだけでは変革は生まれません。社員の観点で、情報が重なり合っているのであれば、そのプロセスを削除した上で自動化することが重要です。ServiceNowでは、豊富な事例を基に、最適なプラットフォーム作りのサポートも行っています。さらに、「Low Code/No Code開発」と呼んでいますが、専門的な知識がなくても共通基盤となるプラットフォームの制定や導入ができるのもServiceNowの大きな特色です。

 ServiceNowを導入することで、マニュアル作業から人を解放し、スキルアップ、キャリアアップなどに時間を割くことができるようになります。

 繰り返しになりますが、働き方改革は、時短勤務、在宅勤務、有休消化などで語られがちですが、大切なのは、高付加価値を生むための生産性を上げるということをベースに、推進していくということです。それにはデジタル変革が有効です。デジタル変革をすることで、より卓越したエクスペリエンスを提供でき、社員は雑務から解放され、創造性を持った仕事ができるようになります。そのためにぜひServiceNowをご活用いただきたいと願っています。

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