
複雑化する社会課題解決の手段として、オープンイノベーションが注目されている。すでに成果を上げている成功事例も多い一方で、うまくいなかないケースもある。それらは何が違うのか。イノベーション研究の第一人者であり、『オープン・イノベーションのマネジメント』の著者 一橋大学 名誉教授 米倉 誠一郎氏と、企業のオープンイノベーションを支援するeiicon 代表取締役社長 中村 亜由子氏が意見交換を行った。大切なのは「何をしたいのか」という意思だという。その議論の要諦を紐解いていく。
※本記事は、ビジネスメディアJBpress/Japan Innovation Reviewの動画番組「変革の論点」の内容を基にしています。
第一人者の米倉氏が“イノベーション”という言葉を使わない理由
田中氏(対談MC) 今回は『独り歩きする言葉に惑わされるな!オープンイノベーションとは何か』をテーマに、一橋大学 名誉教授の米倉 誠一郎さんとeiiconの中村 亜由子さんにお話しいただきます。まずは中村さん、自己紹介お願いしいたします。
中村氏 eiicon代表取締役の中村亜由子と申します。私たちは、日本企業が持続的にイノベーションを起こし続け、生き残っていけるように、オープンイノベーションという手段を使いやすくするプラットフォーム『AUBA』の運営や、ハンズオンで人間がコンサルティングをする事業など、オープンイノベーションの総合支援に取り組んでいます。
eiicon 代表取締役社長 中村 亜由子氏
田中氏 今のお話にも、番組のタイトルにも『オープンイノベーション』という言葉がありますが、イノベーション研究の第1人者である米倉さんはこの言葉を聞くと、思うところがあるそうですね?
米倉氏 一橋大学にイノベーション研究センターを設立したのは1997年ですから、約30年が経過しています、ただ、最近はオープンイノベーション以前に、『イノベーション』という言葉も使わなくなってきました。なぜかと言うと「我が社はイノベーションに取り組んでいます」「イノベーション人材を求めています」というように、『イノベーション』という言葉を使うと、それだけで、気持ちがよくなってしまい満足してしまう方が多いからです。
中村氏 イノベーション戦略や、オープンイノベーション戦略とおっしゃる企業は多いのですが、それだけでは何も言ってないのと一緒だと私も思います。そこで思考がストップしてしまうのは非常に危ういと感じます。
田中氏 本来のイノベーション、そしてオープンイノベーションとはどのようなことなのでしょうか。
米倉氏 いきなり本質を突きますね(笑)。イノベーションの父と言われるシュンペーターは、経済発展のためには現状を創造的に破壊することが必要で、そのためにはイノベーションが必要だとしています。つまり、イノベーションは経済発展のための手段であり、それが必要なければイノベーションは不要ということです。「イノベーションに取り組んでいます」だけで満足してしまう人は、「何のために」が欠けているのです。
一橋大学 名誉教授/デジタルハリウッド大学大学院 特命教授/県立広島大学 大学院 経営管理研究科 研究科長 米倉 誠一郎氏
オープンイノベーションが注目されるようになったのは、時代が変わったからです。
かつて、企業は成長すると、比例して組織の規模も大きくなるものでした。なぜなのか。1991年にノーベル経済学賞を受賞したロナルド・コースは、社外との取引よりも内部でのやり取りのほうがコストを抑えられる場合、会社は肥大化すると言っています。たしかに、すべてを自社で抱え込んで内製化することが低コストかつ高速な時代が続きました。
しかし、インターネットの普及による情報流通の自由化などの変化を受け、ゼロから立ち上げるよりもすでにやっている人と組んだほうがいい、そのほうが低コストで高速だと価値観が変わりました。こうなると、会社は小さくなります。
ですから、ある目的を達成するための手段がイノベーションであり、その手段の中に、外部と組んで行うオープンイノベーションというチョイスがあるという構図です。
中村氏 企業が大きなインパクトをもたらす製品やサービスを作るには、そのためのアセットをどのように作るか・買うかという企業活動が伴いますが、オープンイノベーションもそのうちの一つです。
そして、そのオープンイノベーションという手法は日本企業が新しい事業・産業を生み出し、企業価値を向上させるための手段として有効だと考えています。相手は、企業の場合もありますし、他の法人格や個人のこともあるでしょうが、いずれにしても、外部との共創でシュンペーターが定義する「5つのイノベーション」のいずれかをしっかり生み出していくということが、オープンイノベーションであると考えています。
米倉氏 ところが実際に最も耳にするのは「オープンイノベーションをしたいのですが、何かアイデアはありませんか」です。
たとえば、地方創生のためのオープンイノベーションなどがいい例です。地方創生とは何ですか? 本来、地方創生の意味することは自治体によって異なるはずです。県民1人当たりの所得をいくらにしたいとか、全国での順位を何位から何位くらいにしたい、人口を何万人は確保したいというような具体的な目標がなければ、東京という魅力的な土地へのリソースの流出は防げません。
ですから「何年以内にこれをするため、あなたの力を貸してください」というのが、今あるべきオープンイノベーションの形だと思います。

中村氏 おっしゃる通りだと思います、ただ、そこにある“なんとかしたい”という地元への思いや危機感自体は光であると感じます。むしろ悪いのは、何をしたいのかという目的やビジョンを一緒に考えることなく、資金だけ獲得して“良し”としているコンサル側などではないでしょうか。仕事を受けるのであれば、一緒にやり切るという気概が必要です。
米倉氏 その通りで、「とりあえずベンチャーに声をかけてピッチを開催しましょう」などとはならないはずです。
トヨタとGMとの比較、日本企業はオープンイノベーションに馴染みがあるのか?
田中氏 そもそもオープンイノベーションとは、日本の組織にとって馴染みのない試みなのでしょうか。
米倉氏 そうではないですね。トヨタとGMを比べてみましょう。GMには77万人の従業員がいた時代があります。トヨタは7万7000人です。10倍も違いますが、生産する車の台数にはそこまでの差はありません。
これは、GMが生産工程を垂直統合して社内に抱え込んだのに対して、トヨタは系列企業との協業を選んだからです。そして、トヨタと系列企業との間に多くのイノベーションの種がありました。そのため、オープンイノベーションは、日本企業に馴染みがないわけではないのです。ただ、オープンの度合いが系列の内部に絞られてしまっているのは事実です。新しいことをやりたいのであれば、より幅広くオープンになる必要があるのですが、長い時間をかけて狭くなってしまっているのが現状だと思います。
中村氏 日本全体がイノベーションのジレンマに陥ってしまっているのだと私も思います。80年代、日本が世界一の国だった頃には、狭いオープンイノベーションが最適なのだったのでしょう。それを極め続けた結果、よそ者・若者・ばか者とよく言われますが、既存のサプライチェーンの外にあるような違うやり方を排除してしまってきたのだと思います。
米倉氏 野中郁次郎さんも『失敗の本質』で指摘していましたが、成功体験に過剰適用した結果ですね。日本企業も、終身雇用制度も年功序列制賃金も系列システムも、システムとしてよくできていて、うまくいっていたから、そのシステムをどこか一箇所だけ変えるのは難しいんです。少し変えるつもりが全部変えなくてはならなくなるからです。だから耳に心地いい“イノベーション”で思考停止してしまうのです。
田中氏 eiiconでは、そこで立ち止まることなくオープンイノベーションをしたいという企業などに対するプラットフォーム『AUBA』を提供していますね。
中村氏 『AUBA』は、まず「目的の明確化」を迫られるようになっているプラットフォームです。最初にお尋ねするのは「今、何をしているのですか」「今、何を課題に感じていますか」といった、現状に関することです。というのも、「これから何をしたいですか」といった未来についてはなかなか回答がしにくいものだからです。
そこで私たちは現在と過去についてお答えいただき、「みなさんがやりたいと思っていることはおそらくこれです」と提示するようにしています。すると「そうかもしれない」「いや、違う」などと感想が生まれ、それが「何をしたいか」を考える始点になります。
田中氏 つまり、オープンイノベーションの相手に出会う前に、自社が今どういう状況なのか、何を求めているのかを具体化する仕組みがあるということでしょうか。
中村氏 おっしゃる通りです。ただ、大企業の場合、現状の把握から変革の方向性を見出すというこの過程には注意が必要です。担当者の方では会社全体を俯瞰できていないことも多いからです。そこで私たちは経営層やマネジャークラス、担当者の方々と直接お話をし、方向性を整理するお手伝いもしています。
米倉氏 ニデックの永守重信会長の頭の中には、達成したい像がしっかり描けているといいます。足りていないピースが明確になっていて、常にそこを埋めるためのアンテナを張り巡らせているから、素早い判断ができるのです。ピースを埋めるための手段は、オープンイノベーションではなくて買収であることもありますが、担当者もそこまで解像度を上げられるような支援をしているということですね。
職場の飲み会も馬鹿にできない、「暗黙知」を共有する意義
田中氏 『AUBA』からは、これまでにどのようなオープンイノベーションが誕生していますか。
中村氏 「おにぎりせんべい」をご存知でしょうか。三重県にあるマスヤが製造販売している米菓です。製造の過程では焼き加減の検査があり、従来は人の介在が必要でしたが、東大発の画像解析に強いベンチャーであるフューチャースタンダードとのオープンイノベーションの結果、完全自動化に成功しました。
この事例が素晴らしいのは、それをマスヤの工場で使うだけでなく、スマート工場のパッケージとして外部にも販売している点です。マスヤの経営者の方の伊勢志摩をDXしたいという思いがあっての発展ですが、単なる受発注の枠組みを超えた関係ができたと思っています。

田中氏 具体的な支援の内容を教えていただけますか。
中村氏 通常であれば週に1度のミーティングのペースで半年ほどかかる内容を、2日間に凝縮して実施しました。何をしたいのかのといった目的の言語化はもちろん、掛けられるリソースや期限なども整理した上で、協業先とのマッチングへと進みました。
米倉氏 言語化は重要なキーワードです。子供の頃、うちのおじいちゃんとおばあちゃんが「うん?」「うん」とこれだけで会話が成立させているのが不思議でなりませんでした。これは長く時間をともにして「暗黙知」を共有してきたからできる会話です。
日本企業もかつてはそうでした。職場での飲み会やカラオケなどはバカにされもしましたが、野中先生は「豊かな暗黙知を共有しているということだ」と。確かに、これには大きな意義があります。シリコンバレーでも金曜日の夜などは、みんなで一緒にお酒を飲みながら雑談をしています。まだ固まってないアイデアを言語化する作業をしているのです。それを2日間に凝縮して提供してくれるというのは、ありがたい機能です。
田中氏 オープンイノベーションならではの事例ですが、どのようなイノベーションもオープンであるべきなのでしょうか。
中村氏 これは持論ですが、ものによります。つまりクローズドでやるべきものもあると思っています。
米倉氏 誤解も多いのですが、オープンイノベーションであっても、オープンなのは入り口部分だけです。 その後もオープンにしてしまっては知財の扱いを考えるともったいないことも非常に多くあります。つまり、最初はオープンでもどこかでクローズドにしなければ本当にいいものは生まれません。
中村氏 そこは私たちも重視している点で、口約束で進めることなく途中で必ずNDA(秘密保持契約)を締結するというステップを設けています。私は特許庁 「オープンイノベーションを促進するための契約ガイドラインに関する調査研究」の委員も務めてきましたが、正式な契約をしなかったが故の目も当てられないような事例もたくさん見ています。守る部分はしっかりと契約で守る必要があります。
「漁業×データサイエンス」など、他業界との意図的な出会いの創出
田中氏 中村さんはそもそも、なぜオープンイノベーションを支える会社を起業しようと思ったのですか。
中村氏 もともとはマッチングプラットフォームを、パーソルグループの社内新規事業として立ち上げています。着想は2015年、育児休業中に得ました。ちょうど知人の経営者がオープンイノベーションに挑戦しようとしているのを間近で見ていたのですが、日頃のサプライチェーンの外にいる人や企業との出会いの場がほとんどなく、結果としてイノベーションが起こりづらいという実態に驚き、オープンイノベーションのプラットフォームを作ろうと思いました。
米倉氏 育休中、お子さんだけでなく、未来も夢も育てていたわけですね。
中村氏 育休中ではありますがパーソルグループの第1回社内新規事業コンテストに出場したところ採択され、社内起業の形でスタートしました。
田中氏 社内起業後は、どのようなドキドキがありましたか。
中村氏 ちょうど『オープンイノベーションごっこ』という言葉がバズワードになっていた時期でした。 オープンイノベーションはうまくいかないのでは、という風潮だったのです。私たちは後発でもありましたが、それでも「うまくいかないわけながない」と思っていました。その結果、1年後の2018年には最初の事例が生まれています。本来、イノベーションには時間がかかり、さきほどのおにぎりせんべいでも2年ほどかかっているのですが、わずか1年で結果が出たときには鳥肌が立ちました。
宮崎県でカツオ漁業をしている浅野水産の事例もあります。カツオは遠洋に出て一本釣り漁法で釣ります。魚群を見つけられるかどうかが漁獲高に大きく影響しますが、その魚群は漁業長の“長年の勘”によって見つけられていました。
その漁業長が高齢で船を降りることが決まったとき、会社の後継者の方が漁業長の“長年の勘”の継承に課題を感じており、組織外からヒントを得るべく『AUBA』を使う選択をされました。
そこで、データサイエンスの分野で連続的に新規事業を生み出しているFACTORIUMとのオープンイノベーションに着手しました。航海日誌を読み込んだり、船にセンサーを付けたりと試行錯誤を重ねた結果、これまで勘で行っていたことをデータで定量化することに成功し、最近、浅野水産は過去最高の収益を記録しました。さらに、遠洋の船上ではWi-Fiがつながらないという課題も、さらに他のスタートアップを巻き込んで解決を図っています。
田中氏 社内起業で実績を積み、その後、パーソルから独立されていますね。
中村氏 2023年にMBOをして独立しました。パーソルは人材の会社ですし、この新規事業のためだけに、たとえば全国に拠点を置くような判断は難しかったと思います。
米倉氏 パーソルから資金あるいは人的な支援は受けましたか。
中村氏 いえ、株主にという提案もいただきましたが、独立したスタートアップとして運営することを選びました。ただ、独立した当日に発注をしてくれまして、本当にありがたいと思っています。
米倉氏 環境に恵まれ過ぎていて成長しきれない社内ベンチャーもありますから、素晴らしい選択だと思います。
田中氏 米倉さんが学長をお務めのクリエイティブ・レスポンス-ソーシャル・イノベーション・スクール(CR-SIS)では、これまでにどのようなオープンイノベーションがありましたか。
米倉氏 これからはさまざまな社会課題が表出するだろう、それはビジネスで解決するのが一番有効だと考えて2020年に設立したのがCR-SISです。便利なのでイノベーションという言葉を使ってしまっていますが、卒業要件は、グループごとに社会課題を解決するビジネスを考えて発表すること。すでにとても面白い事例が生まれています。
たとえば、“ものすごく小さなもの”で、“ものすごく大きなもの”を効率的に洗えるようになった成功事例がありました。その、“ものすごく大きなもの”とはジェット機で、“ものすごく小さなもの”とはナノバブルです。全日空と「ウルトラファインバブル」の技術に強みをもつカクイチが出合ったことで、使用する水と洗剤の量、土壌への影響が少ない洗浄方法が生まれました。
それから、ソフトクリームの総合メーカーであるニッセイと、道路の舗装などを手掛ける前田道路のケースも面白いです。前田道路は舗装などに使う車両をバイオ燃料で運用したいのですが、一般的なバイオ燃料はパワーが足りない。高い出力を得たければ燃料のカロリーを高める必要があります。そこで、ニッセイがソフトクリームを作る過程で生まれる残滓を混ぜるというアイデアが生まれました。まだ実現には至っていませんが、専門性も発想もまったく異なる2者が出合ったからこそです。こう考えると、CR-SISもプラットフォームですね。

中村氏 まさに私たちの取り組みは、そうした出合いを意図的に起こす取り組みだと改めて感じました。今のお話を伺っていて、NTTコミュニケーションズのケースを思い出しました。NTTコミュニケーションズは鉄塔を多く保有していますが、使われてないものも多いのです。その鉄塔を何かに使えないかとご相談いただいたところからスタートし、最終的には、京大発ベンチャーであるメトロウェザーと、NASAに採択されるまでの事業を生み出すことができました。メトロウェザーは、ドローンなどの航路を最適化するために空中の風向や風速を測定し予測する機器やシステムを開発する会社なのですが、何箇所も、同じ高さに機器を設置したいというニーズを持っていました。鉄塔はうってつけです。
米倉氏 見上げる人によって、鉄塔の価値は変わるということです。夢がありますね。
田中氏 すでに世界に進出しているとなると、希望も感じます。
第一次産業とのオープンイノベーションが世界を救う鍵に
米倉氏 海外での展開ということでは、私は、国内では補助金を受けるのが当たり前になってしまっている第一次産業にもオープンイノベーションの機会があると思っています。たとえば、バングラデシュでは米作りが行われていますが、基本的には地蒔きです。ここに、日本で培ってきた畝という概念を持ち込むと、それだけで生産量が2倍になると言われています。単にアイデアを持ち込むだけで、人口爆発という社会課題の解決にも貢献できるのです。
中村氏 日本は少子高齢化が進んでいきますが、アフリカやアジアはそうではありません。すでに海外の企業にも『AUBA』をご利用いただいていますが、アジアと日本の協業も進めていきたいと思っています。
米倉氏 プラットフォームとは、別の言い方をするとナレッジバンクです。自社の知識を預けて他者の知識を借りるという使い方をします。そこで大事なのは、その銀行を多くの企業が使っていて、多くのナレッジが集まっているということです。
田中氏 今『AUBA』にはどのくらいの組織が登録しているのでしょうか。
中村氏 累計での法人登録者数は3万社を超えました。毎月、新規でのご登録が数百社ずつある状況です。
米倉氏 海外とのオープンイノベーションのプラットフォームを作れたら、1人勝ちですね。日本には各国から優秀な留学生も来ていますから、そうした学生の参画を進めてもいいでしょう。

中村氏 2017年から毎年、オープンイノベーションについての調査を続けているのですが、新規事業でオープンイノベーションを行っている企業の割合が、2022年から25年の3年間で50%から56%に増えています。わずか6ポイントではありますが、確実に増えており、関心も高まっていると感じます。
米倉氏 徐々に徐々に、でいいんです。また、オープンイノベーションというと、つい大きな企業ばかりを想定しがちですが、スタートアップ、私に言わせれば“変人の集団”、超オタッキーな人たちの知識の蓄積を借りてもいいのです。先日も上海に行きましたが、アップルから受注された小さな会社が実に元気でした。日本でも、大企業は小さな企業に希望を与えるようなオープンイノベーションに取り組んでほしいです。
田中氏 事例と示唆が止まらず話が尽きませんが、そろそろまとめの時間です。米倉先生さん、結論として、オープンイノベーションとは何でしょうか。
米倉氏 本質を理解すれば、こんな素晴らしい“ツール”はないと思います。そのツールを無駄にしないためにも、何をやりたいのかをもっと突き詰め考えなくてはなりませんし、目指す目標はできるだけ具体的であるべきです。32位になってしまった日本の生産性、たとえば5年以内に10位以内に戻すといった目標を持てば、血湧き肉躍るはずです。
中村氏 私は、2040年までにまた日本企業が、世界の時価総額ランキングのトップ10に入るようにと、支援をしています。
米倉氏 素晴らしいですね。そういった目標が必要です。
中村氏 ただ、日本の製品やサービスが世界を席巻するというよりは、世界中の企業の製品やサービスに、日本クオリティが入っていくという姿を思い描いています。その頃には、オープンイノベーションは、転職や中途採用と同じように、当たり前の言葉になっているはずです。
田中氏 本日は米倉さんそして中村さん、貴重なお時間をありがとうございました。

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