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東福寺の秘宝が満載
新緑や紅葉の名所として知られる大本山東福寺。鎌倉時代前期に摂政・関白を務めた九条道家(くじょうみちいえ)が、奈良の東大寺と興福寺とを合わせたような大寺院の創建を発願、開山として円爾(えんに/聖一国師 しょういちこくし)を招いて建立した禅宗寺院です。後に「伽藍面(がらんづら)」と称されるほど我が国随一の巨大伽藍を誇り、多くの弟子を育成しました。
東福寺には中国伝来の文物をはじめ、建造物や彫刻・絵画・書跡など禅宗文化を物語る多くの特色ある貴重な文化財が伝えられ、国宝や重要文化財に指定されるものは105件に及びます。
東福寺の寺宝をまとめて紹介する初の機会となる本展では、「画聖」とも崇められた絵仏師・明兆(みんちょう)による畢生の大作で、近年大修理が完成した重要文化財「五百羅漢図」全47幅を初公開。巨大伽藍にふさわしい特大サイズの仏像や書画類の優品も一堂に展開します。(※会期中展示替えあり)。
中には、2メートルもある、もと本尊の巨大な左手など、展覧会初出品のものも。草創以来の東福寺の歴史をたどりつつ、東福寺の魅力とともに、大陸との交流を通して花開いた禅宗文化の全容を理解できるまたとない機会です。