※本コンテンツは、2021年9月13日に開催されたJBpress主催「第10回DXフォーラム」のセッション7「映像データで実現する“現場DX”クラウドカメラ×5Gで変わる『映像データ活用』の実例」の内容を採録したものです。

セーフィー株式会社
マーケティング部 部長
布井 雄一郎 氏

5G時代に突入し、大容量の映像データ活用が当たり前になりつつある。現場の見える化、業務ツールとの連携、データの蓄積とAI分析など、映像データ活用によるDXは、ビジネスを大きく変える可能性を秘めている。しかも、その第一歩は非常に簡単。まずは「カメラを設置するだけ」で踏み出せるという。「映像データであらゆる産業の“現場”をDXする」というコンセプトでクラウド録画サービスを展開するセーフィー株式会社の布井雄一郎氏に、活用事例、DX実現ステップについて伺った。

5Gについて押さえておくべき3つのポイント

 2020年に日本でも運用が始まった5G(第5世代移動通信システム)。この5Gによる社会の変化を実感できている人は、まだ多くないだろう。

 しかし、「間違いなく、映像データの活用はものすごいスピードで広がっていきます」と話すのは、クラウド録画サービスを展開するセーフィー株式会社の布井氏だ。5Gについて押さえておくべきポイントとして「超高速通信」「超低遅延通信」「多数同時接続」の3つをリマインドする。

 例えば、「超高速通信」ではダウンロードに時間がかかっていた大容量の動画を、一瞬でダウンロードできるようになる。「超低遅延通信」では、ライブ通信のタイムラグがほぼなくなる。「多数同時接続」では、カメラ、AI機器、IoT機器をネットワークにつないでも重たくならずに通信ができる、ということだ。

「特に、超低遅延通信、多数同時接続の実現は、社会的に大きなインパクトをもたらします。現状の5Gはエリアの制限などが大きく普及は遠いように思えますが、国は2023年度末には全国に5G対応の基地局を28万局設置する目標を掲げています。(出典:総務省「ICTインフラ地域展開マスタープラン3.0」)5Gの広がりに乗って、映像データの活用は爆発的に進展するでしょう」

 大容量の映像データ活用を前提とした時代がそこまで来ている。先んじて情報をインプットし、存分にビジネスに活用できるよう備えておきたい。

映像データであらゆる産業の「現場DX」が加速する

 セーフィーはソニーグループ出身の3人が2014年に創業した、クラウド録画サービス「Safie(セーフィー)」を提供するスタートアップ企業だ。同サービスを活用することで、カメラで撮影したデータは即時にクラウドに上がり、パソコンやタブレットなどさまざまなデバイスから閲覧できる。

「映像はリアルタイムで見ることはもちろん、クラウドに録画された映像をさかのぼって見ることもでき、早送り・巻き戻しなども自在です。また複数台のカメラがある場合も、1画面上に並べて一覧できたり、表示サイズを切り替えたりと、直感的に操作できるUIで非常に簡単に映像を一元管理できるのが特徴です」

 例えば、多拠点で展開する飲食店において、キッチン、レジ、入口、客席などに設置したカメラの映像を本部で全店舗一括管理できるのはもちろん、店舗スタッフや関係者間で共有することもできる。スマホからも確認でき、デバイスを選ばずいつでもどこからでも確認できる点も大きなメリットだ。データはクラウド上にあるため、各拠点に録画機も不要だ。強固なセキュリティーレベルを実現しており、セキュアに運用できる点も好評だという。

「活用例としては、防犯利用はもちろん、小売店やレストランなら店舗の店長、建設会社なら現場監督など、本部と現場で情報をシェアしてマネジメントや実務に生かしているケースが大半です。Safieは、組織内で映像をシェアして見られるという概念を前提に設計しており、映像の閲覧権限も細かく設定できます」