ニュータニックス・ジャパン合同会社
ポートフォリオスペシャリスト
内田 翔 氏

シンプルなIT環境を構築するプラットフォームベンダー

 ニュータニックス(Nutanix)は、「IT環境をインビジブルにすること」というビジョンのもと、インフラの存在を意識する必要がないほどシンプルなIT環境を構築することを支援しています。2009年創業の比較的若い会社ですが、画期的なインフラ構造である「ハイパーコンバージインフラストラクチャ(HCI)」で業界をリードしてきました。

 当社のHCIは、各サーバーに直付けになっているストレージをソフトウエアによって仮想的に集約することで劇的にアーキテクチャーを簡素化する製品で、インフラサーバーやSAN(ストレージ用のネットワーク)、ストレージで構成される三層型インフラとは一線を画すものです。この完全なソフトウェアベースのHCIは、インフラの構築・管理の工数を大きく削減し、縦割り構造によって連携が取れなくなるサイロ化を排除しながら、ハードウエア、ソフトウエアの自由な選択を可能にします。

 さらに、NutanixはHCIのテクノロジーをベースにプライベートクラウド、パブリッククラウドにまたがるハイブリッドクラウド環境のプラットフォームも提供しています。このハイブリッドクラウドプラットフォームによって、シンプルな単一のプラットフォーム上で競争力の源泉となるアプリケーションの構築と運用をサポートしています。

エッジコンピューティングを支えるIoTプラットフォーム

 では、IoTソリューションとしてエッジコンピューティングを推進する際に直面する共通的な課題と、そして弊社のご提供するIoTソリューションについてご紹介いたします。

 ロボット制御による品質管理、製造ラインにおける画像解析、マシンの状態監視など、昨今、IoTプロジェクトに取り組まれている企業は非常に多くなっています。現在、IoTデバイス数は30億あるともいわれ、データ量も2017年に256ZB(ゼタバイト)だったものが、2020年には600ZBと劇的に増加しています。IoTの膨大なデータ量をクラウドで処理しようとすれば、ネットワークを圧迫し、また、リアルタイム処理の実装を困難にします。そこで、有効なアプローチとして注目されているのがエッジコンピューティングです。

 エッジコンピューティングは、センサーなどから得られるデータを“現場”、つまりエッジ側のコンピューティング装置でリアルタイム処理し、結果だけをクラウドにアップロードするというモデルです。ただし、エッジは例えば工場など物理的、論理的に分散された拠点になるため、“分散”システムとなり、これをいかに運用するかが新たな課題となります。

解決策の一つが、分散したシステムを中央集権的に管理するプラットフォームです。当社も「Karbon Platfrom Services(以後KPS) IoT」として提供しています。

 KPS IoTは上図のように、IoT全体を管理するダッシュボードである「KPS IoT 管理コンソール」とエッジコンピューティングのアプリ実行環境である「サービスドメイン(エッジOS)」という二つのコンポーネントから成ります。「エッジOS」では、コンテナプラットフォームのデファクトであるK8s(Kubernetes:クバネティス)ベースのアプリケーション実行環境を提供しています。

 特徴は大きく分けて四つあります。一つは、管理コンソールで物理的に分散された環境のアプリケーションを遠隔で管理できることです。二つ目に、単一画面からアップデートが可能なこと。例えば、エッジ側で検知したデータにロジックを追加したいときなどに、リアルタイムでアプリケーションをアップデートすることができます。

 三つ目として、アプリケーションの実装方式が選択できます。ファンクション方式では、Python、Node.js、Goなどのプログラミング言語のライブラリ群をビルトイン機能として搭載しており、アプリケーションを構築していくことができます。またK8sコンテナ方式では、K8sベースでマニフェストを組んでコンテナアプリケーションを実行できます。四つ目はセキュリティーです。管理コンソールでヒューマンエラーを最小化でき、また、エッジデバイスへのログインはできない仕組みにより攻撃可能領域を最小化できます。

「Amazon Go」のようなカフェテリア実現の背後にあるリテール領域のIoT

 リテール領域のIoT事例として、「Amazon Go」のような無人レジをカフェテリアにて実現したケースを紹介します。「Amazon Go」は非接触で会計・決済する仕組みで、「完全無人のコンビニエンスストア」として話題になりました。同様の仕組みを応用したカフェテリアでは、利用者が自由にチョイスしたメニューをレジでカメラにかざすと、画像認識によって自動的にメニューを判別し、決済できるという仕組みです。これをKPS IoTで実現したものが下図になります。

 上図中央のエッジの囲みの中に「機械推論」とあるように、機械学習推論モデルをエッジ側に搭載しており、画像認識に不具合があった場合は、異常部分のみクラウド側に上げて改善に生かします。季節などにより頻繁に変わるメニューに対応できるようにリアルタイムで機械学習推論モデルをアップデートしたいという要件をKPS IoTがかなえたことが、採用の決め手の一つになりました。

 さらに大きく二つの要件がありました。一つは、カフェテリアが各国に展開するレストランチェーンであり、分散したエッジを一括で管理したいというもの。もう一つは、他社に先駆けて展開するためにアプリケーション開発の俊敏性を確保したいというもの。これらのケイパビリティーをKPS IoTのプラットフォームが提供できた事例になります。

 また、流通のIoT事例として、Amazonの「お急ぎ便」のような仕組みをエンドユーザに提供するための倉庫ソリューションがあります。これは倉庫側に取り付けられた一般的な防犯カメラを用い、荷物を載せる木製のパレットが荷物の搬出エリアに滞留していないかをチェックするものです。「お急ぎ」としてカテゴライズされた荷物が搬出エリアに長時間滞留している場合には、即時に搬出するよう現場の作業者に対して通知を行います。これも防犯カメラの画像からパレットの有無を検出するために機械学習モデルを使い、KPS IoTを使って実現しています。KPS IoTは、シンプルなアプローチとアーキテクチャーであり、大規模に分散された環境でも適用できます。IoTプロジェクトにおけるKPS IoTの重要性は、ますます高まっていくことでしょう。

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