
※本コンテンツは、2021年3月17日に開催された日本ビジネスプレス(JBpress)主催「第5回ワークスタイル改革フォーラム」のセッション「Zoomが考える、DXを加速させるために今求められるコト」の内容を採録したものです。
ZVC Japan株式会社(Zoom)
セールスマネージャー
島方 敏 氏
1年で売り上げ10倍を実現したZoom
ZVC Japan株式会社(Zoom)の島方と申します。本日はこの場を借りて、「Zoomの考えるDX」について、具体的な事例を交えながら、皆さまにお話させていただきたいと思います。
まずは弊社について、簡単に概要をご紹介させていただきます。弊社は、「簡単、安全、かつ革新的なビデオファーストのコミュニケーションプラットフォームにより、企業のお客様を常につなげること」というミッションのもと、10年前に設立されました。一昨年前にナスダックに上場をしております。

オフィスの数は現在19カ所あり、本社はアメリカのサンノゼ、国内では東京にオフィスを構えております。従業員数は4000名を超えました。
データセンターは19カ所と世界中に散らばっておりまして、分散処理をすることで世界中のコミュニケーションを支えています。国内では東京、昨年には大阪のデータセンターを開設しました。NPS(ネットプロモータースコア)は70+となっており、お客様からの満足度が高いサービスとなっております。
Zoom Japanの状況につきましてもご紹介させてください。
「ビジネスライセンス」という、10ライセンス以上をご契約いただいているお客様は、現在2万社強。パートナーの数も昨年1年間で増えてまいりまして、国内で300社を超えています。
従業員数は現在約80名。毎月新しいメンバーが続々と入社しています。売り上げは一昨年度に比べて約10倍になっており、MM総研のデータによると、現在国内で35%のシェアを獲得しています。
ビデオファーストなプラットフォームに
続きまして、弊社製品についてご紹介させていただきます。
次のスライドは弊社の製品ポートフォリオを表している図で、大きく3つのセグメントに分かれております。

1つ目は、いわゆるWeb会議・ビデオ会議と呼ばれる領域です。国内ではまもなくミーティング・音声・電話といった機能のリリースを予定していたり、最近はチャット機能やウェビナーをご利用いただくことも多くなっていたりします。
2つ目は、カンファレンスルーム&スペースと書かれているオレンジ色の枠ですが、こちらはオフィスの会議室などでご利用いただくソリューションです。たとえば、「Zoom Rooms」や既存のテレビ会議の仕組みと連携させるようなコネクター。サイネージや、スケジューリングディスプレイ(会議室の前にスケジュールを置く機能)も提供させていただいております。
3つ目として、開発者の方々と結び付くような機能、他のアプリケーションとの連携を図るようなセグメントもございます。APIを使った連携や、SDKを使った連携です。
そしてマーケットプレイス。こちらはAppleさんでいうところのApp Storeのようなイメージです。こちらをご利用いただくことで、皆さまが普段お使いいただいている業務用の他のアプリケーションとZoomを連携することができます。
以上がZoomの全体像になります。一言で言うならば、まず「ビデオファースト」であるということ、そして他のツールとも連携ができるような「ユニファイドコミュニケーションのプラットフォーム」であると言えます。
コロナ渦でユーザー数が飛躍的に増加
2019年の12月頃、つまり新型コロナウイルスが世に広まる前ですが、Zoom自体はそれなりに認知もされていて、法人向けのサービスとして利用されているお客様も既に多くいらっしゃいました。
一日あたりの参加者数でいうと、全世界で1000万人程。我々もようやく、他のWeb会議のプラットフォーマーさんと同じように、日常的に使われるサービスになってきた、と実感していた頃でした。
そこから2カ月足らずで、大きく情勢は変わりました。3月に入ると、海外でも「ロックダウン」という言葉が出始め、WHOからパンデミックが宣言されるという事態に。国内でも感染症の広がりが大きくなり、初期の緊急事態宣言が発令されたのもこの時期です。
この時期に、Zoomの利用者数が飛躍的に伸びました。数カ月前まで1000万人であった1日あたりの会議参加者数は3億人にまで伸び、非常に多くの方に利用されるサービスになりました。

これに伴って、先ほど挙げたデータセンターなど、インフラ設備の増強やネットワークを広げる作業を急ピッチで進めました。安定的にサービスを維持提供する、ということに努める中、「Zoomはパンデミックが世界中に広がった状態の中でも使い続けることができたサービス」として、その後のお客様からの評価にもつながりました。
コロナ渦でDXが加速度的に進められた分野
「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉は、新型コロナウイルスの感染拡大以前から使われていましたが、「まだまだDXは先だよね」「世の中の変化とともにうちの会社も徐々に変わっていくよ」などと話されていた企業様も多いのではないでしょうか。
ところが、新型コロナウイルスの感染拡大によって、いろいろな業種・業態の方々が変化せざるを得ない状況になりました。経営者の方々は、元々はぼんやりと考えていた仕事・業務の未来を、本当に今すぐ、明日にでも決めなければいけないということを目の当たりにされたことと思います。

一方で、「外に出られない」「人と会えない」という状況を逆にビジネスチャンスだと捉え、効率化・自動化を目指したDXが加速度的に進んでいます。この1年でどのようにDXが進められてきたのか、事例を踏まえながらお話させていただきたいと思います。
この1年で最も変化を余儀なくされ、大きく変化したのは「教育」だと思っています。こちらの写真は、アメリカの大学の授業風景です。アメリカではパンデミックの前からオンライン教育が進められていて、こういった設備を既に持っていた大学も多くあります。そうした大学は、学校に通いづらい遠方に住む学生に対して、オンラインストア教育を既に提供されていたそうです。

日本の多くの大学では「キャンパスに行って授業に出て勉強する」ことが常識になっていました。しかし、コロナを機に、昨年の3月から急速に教育のオンライン化が進められています。
医療に関しても大きく変化しました。パンデミックですから、そもそも診療所に行きづらい状態です。実際に外来に行かずとも、遠隔で診療を受けられるよう、リモートでのコミュニケーションツールが発達した1年でした。
日本においてはまだ規制が多く、診療項目によっては実際に外来して先生の診察を受けないといけないケースもあります。たとえば禁煙外来であったり、心療内科での治療であったり、AGAといったような治療です。しかし、あまり接触をせずに患者の状況を確認できるような診療に関しては、この1年で遠隔での診療がかなり進んでいきました。
外科の手術はリモートでできるような技術環境がまだ十分に整備されていないので、まだまだこれからという分野になります。しかし、一部美容整形・美容に関わるような医療現場ですと、実際にオペを行っている先生の手元の映像を研修医の方々に見せるという施術の訓練を、リモートのツールを使って実施されている現場もあるそうです。この辺りの領域も今後大きく変わっていく要素があると思っております。
製造現場でもリモートツールの利用が進んでいます。業務としては、「最少人数で現場に出向いて作業を行う」「最少人数で製造工程を確認する」といったスタイルを多くのメーカーが実施されています。

こうした動きを支えるものとして、「リモートでの職場環境の提供」も企業の中で進んでいます。「ワーケーション」などの環境づくりをしながら、従業員の働く場所や住む場所に左右されずに業務を進める企業もだいぶ多くなってきました。
立法の場・政治の場でも、こうしたリモートのツールは日常的に使われております。国際会議の場では、ビデオ会議が当たり前のように使われるようになりましたし、選挙活動でもZoomのようなビデオ会議のツールが広く普及してまいりました。これも今後のDXを支える一つの要素になるかと思います。
一般の利用に関しても、「外出できない」「密を避ける」ということで、プロスポーツ観戦や、アーティストのコンサートといった大型イベントにも大きな影響が出ました。
一部のプロスポーツ観戦やイベント・コンサートに関しては、既に観客を入れての開催も可能になり、徐々に規制は緩和されています。一方で、オンラインでの配信も日常的に行われるようになってきました。この領域も、DXが加速化されていった一つだと思います。
アフターコロナで世の中はどう変化していくのか
では、オフィスでは今後どのような変化が起こっていくのでしょうか。たとえば、レセプションです。
こちらは音声とカメラが一体型になっているモニターを置くことで、オフィスに来たゲストの方が受付の方と対応されている例です。受付の方がオフィスにいる必要はないため、家庭にいながら受付業務をすることができます。時間と場所の拘束を受けることが少なくなるため、子育てや介護をされている方々や、一度リタイアされて新たな仕事を探されているような方々でも働きやすい環境を実現することが可能になります。

次は、感染症が終息した後の会議環境のお話になります。終息後は、オフィスに戻って会議室で会議をするというケースも出てくるかと思います。それを想定した上で、会議ソリューションの中に「会議室の環境をモニタリングする」という機能が組み込まれるようになってきています。
たとえば会議室に入ってくる人数を自動計測してカウントしたり、温度や湿度、CO2などの環境をモニタリングしたりすることができます。また、リモートで参加している方々や会議室の顔認識をカメラで行って分割をするという技術も開発中です。5Gの登場によって、こうした映像処理の技術も回線が高速化しより安定的になってきますし、スムーズな形でご利用いただけるかと思っております。
我々が考えるアフターコロナの世界は、「オンラインとオフラインのハイブリッド型」を想定しています。オフィスにおいては、オフィスに出向く方のより効率的な利用率や出勤率を計測したり、先ほど挙げたような、在宅で仕事をせざるを得ない方のリソースとして有効活用したり、といった具合です。このハイブリッド型が理想的な形になるのではと思っております。
既にハイブリッド型が実施されている大学として、ハーバードビジネススクールの例があります。先生は教室にいてオンライン・オフライン両方の形で授業を行っていて、学生も実際に来ている方もいれば、リモートで受講している方もいます。おそらく、アフターコロナの世界では、このようなスタイルがいろいろな分野で日常的になっていくのではないか、と考えています。
DXを取り入れている顧客事例
最後に、実際にDXに取り組まれているお客様の事例をご紹介させていただきます。皆さんがこれからDXに取り組むにあたり、少しでもヒントになれば幸いです。
まず、生命保険会社や金融機関。窓口のオンライン化に加え、営業担当の方がiPadを持ち、Zoomを使って打ち合わせをする、ということが日常的になりつつあります。業界を問わず、この「営業活動のオンライン化」は加速化しております。
eコマースの例を挙げると、オンライン購入はもう日常的になっています。この他、ライブ感覚をオンラインに適用させる例ということで、小田急百貨店でもライブコマースを実現しています。

これはいわゆるテレビショッピングのようなものを、Zoomを使ってライブ配信されている風景です。1対1であっても、1対Nであっても、ライブで行うことによって、実際に店舗で接客を受けているような感覚になれることがメリットです。これからますます、新しい販売方法として広がっていくのではないかと考えております。
また、これまで住宅や車といった高価なものは、「オンラインに不向き」だと言われてきました。しかし現在は、住宅の展示会もオンラインで行われておりますし、車のディーラーも実際の現物を見ずにオンラインで交渉をしたりしています。
もちろん試乗などは現場に行く必要がありますが、ある程度の情報収集はオンラインでできるようになっています。こちらはトヨタグループのディーラーの例で、オンラインで商談を行っている風景です。

自治体での取り組みですと、農業や教育分野の取り組みも進んでいます。ドローンを使った農地での施策利用に使われている例もあります。
また、我々が取り組んでいる大きな取り組みのひとつとして、「通訳」があります。通訳自体は実際にお呼び立てする必要はあるのですが、副音声で、他の言語を常に聞くことができる機能が実装されています。国際会議の場などでは、既にZoomの通訳機能が使われています。
こういったものは今後もっと進化して、言語の壁というものがどんどん低くなって、コミュニケーションがより加速化されると我々は考えています。
通訳と同様に、字幕の機能も進んでいます。英語に関しては既に字幕機能が標準実装されておりますが、日本語に関しても専用ツールと連携すれば、既にご利用いただけるようになっています。
文字化した情報をデータレイクに保存して、そこで文脈を調整する技術や、さらに先の応用に使われていくと想定しています。ここは新たにいろいろなビジネスが生まれる領域になるかと思います。
Zoomが考える「未来のDX」
DXが進められることのメリットは、「時間と場所と手段が自由に決められること」だと考えております。

その上で重要な要素となるのが、「いかに簡単に利用できるか」、「他のツールといかにシームレスに統合できるか」、そして「フリクションレス」。以上3点が、これからのデジタルビジネスの潮流になってくると思っています。
我々が理想とするハイブリッドワークプレイスについても、いろいろなリソースをご活用いただくことによって、場所と時間を選ばずに、フレキシブルな対応ができると思います。
たとえば、今までは場所や時間的な制約から雇用が難しくなってしまった方々を職場に戻すこともできるでしょう。素晴らしい能力を持っている方々と様々なケースに合わせて柔軟にともに働くことが可能になれば、より新しいビジネスの活性化にもつながると考えています。
「ニューノーマル」という言葉が昨年から語られるようになりましたが、「今後来るノーマルを作り出していく」ということが我々に求められていることでありますし、皆さんも考えていかなければいけないことだと思います。
これまで常識だと思っていた、「朝起きて電車に乗って出社し、オフィスで仕事をする」といったワークスタイルが崩壊した状態で、そこからどういう働き方を従業員たちとつくっていくのか。場所や時間に左右されないワークスタイルが定着しつつある中、「理想のワークライフバランス」を実現する働き方を選ぶ方々が増えてきているように思います。
このあたりを注視しながら、皆さまがDXに取り組む過程で、我々Zoomが一助になればと願っております。本日はありがとうございました。
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