2020年12月、ブラジル国立宇宙研究所(INPE)は、2019年8月からの1年間に失われた森林は1万1088平方キロ(1日あたり東京ドーム650個分)と発表。環境問題が深刻なアマゾンだが、奥地にはまだこんな水と原生林の世界が広がっている。こういう密林の果てに100mの大蛇がいるのか?(空撮・山根事務所)
(注)ネット上では出所不明、虚偽の疑いがある大蛇写真が拡散しているため、本記事に掲載する写真のうち山根一眞所蔵写真や図については出所を明確にするため「Archives of Kazuma Yamane」のバナーを入れてあります。
アマゾン訪問を繰り返して来年で50年になる。20数回にわたる取材地を赤丸で記した。今ではもう得ることができない膨大な写真やビデオ記録が残っており、今回の大蛇の顛末もその一つだが、まだまだ行きたい土地が多く残っている。しかし新型コロナウイルス感染症が収まらないため再訪できず忸怩たる思いだ。(Herve Collart Odintらによる『AMAZONIA A ULTIMA FRONTEIRA』 1988年ブラジル刊)収載の地図を彩色、加工した)
拡大画像表示
「人の背丈ほどもある世界最大の葉をつけた植物を発見」「アマゾン伝説の魔物、マッピングワリの頭骨を発見」と伝えた当時の現地の新聞。世界最大の葉は、後にブラジル国立の研究機関で現物を見たが、「自生地は保護のため明かせない」と言われた。(山根一眞所蔵資料)
拡大画像表示
「100m」はレクサスLSを19台並べた長さだ。アルゼンチノサウルスと比較しても100mの大蛇は巨大すぎる。もし存在するなら、頭部だけでもクルマ1台分のサイズになるだろう。(筆者作図)
長年物置に保管したままだった4m超のアナコンダの皮を伸ばしての撮影後、剥れ落ちた鱗が床に散らばっていた(前々回記事「
逃走事件のヘビより巨大だった我が家の4メートル『アナコンダ』」を参照)。接写したところ構造色のような色を放っていた。「脱皮殻だろう」という意見があったが、これは現地人がワニ革のように加工品の材料として売るために剥いで干した皮だ。(撮影・山根一眞)