企業活動におけるデジタル化は今、大きな局面を迎えている。テレワークの浸透により電子契約・文書管理のニーズが高まり、さらに2024年1月には電子取引における電子データ保存の義務化(電子帳簿保存法改正による)も控え、デジタル化推進と業務効率化を図るべく多くの企業がその対応に追われている。
そうした中、電子契約の導入から運用までを一気通貫でサポートするサービスとして注目されているのが、NECが提供する「電子契約管理スターターパック」だ。同社のパートナーセールス統括部 統括部長の小方秀介氏に、電子契約管理の始め方や業務効率化、さらに企業の成長へとつなげるポイントを尋ねた。
「電子取引における電子データ保存の義務化」まで待ったなしの状況に
近年、デジタル化による社会の構造変革が加速している。2023年末には改正電子帳簿保存法(以下、改正電帳法)で設けられた「電子取引における電子データ保存義務化」の宥恕期間が終了し、同年10月1日からは「インボイス(適格請求書等保存方式)制度」がスタートする。そのため企業のバックオフィス部門では、契約書・請求書をはじめとする文書の電子化が急務となっている。
また、コロナ禍以降、テレワークが社会に浸透した一方で紙業務に対する課題も顕在化した。紙書類の確認や押印などでやむなく出社した経験を持つ人は6割超にのぼり、従来の「紙と印鑑」によって締結していた契約書に変わり、電子データを基にインターネットを介して契約を締結する「電子契約」へのニーズが高まっている※。
※出典:アドビ株式会社「テレワーク勤務のメリットや課題に関する調査結果」
では、電子化に備えてどのような準備が必要なのだろうか。最先端のICTで社会や産業のDXを推進してきたNECの小方氏は、第一歩として社内の業務フローの振り返りと取引内容の整理が必要だと話す。
「まずは社内で保有する文書の種類と対象関係者を洗い出し、承認から締結、保管までのワークフローを把握することが大切です。押印や署名に関わる社内規程がある場合、電子契約の導入によって文書管理規程や印章管理規程などの見直しも必須となります」
改正電帳法では、電子保存すべきデータの要件や様式、電子保存した帳票を検索するための必要要件が定められている。ルールにのっとり保存しなければ、電子契約を導入しても法的に有効とはいえないのだ。小方氏は「そこに気づかずに進めてしまうと、後に大きなリスクを抱えてしまう恐れがあります」と警鐘を鳴らす。
社内で管理する文書の種類は多岐にわたり、デジタル化においては経理や法務、情報システムなどの部署を超えた連携が必要になる。しかし、中小企業ではバックオフィス部門の人数が限られ、知見も蓄積していないため着手できない企業も少なくない。さらに、書類の整理ができても、法令への対応が障壁になっているケースも多いという。
「従来紙で運用していた契約書を単にデジタルに変えればいいわけではありません。文書の種類や業種・業界によって考慮すべき法律があるからです。それらを複合的に理解した上で、業務設計をしていくことがデジタル化の要となります」
「要を押さえたデジタル化」で契約締結にかかる日数を90%以上削減
ただやみくもに進めるのではなく、要を押さえてデジタル化を推進する――その重要性は、小方氏自身も実感しているという。なぜならば、小方氏の所属するパートナーセールス統括部では2022年秋に「電子サイン」を導入、運用をスタートし、業務効率化を実現しているからだ。まず、その取り組みを紹介する。
パートナーセールス統括部では、まず、自社製品の販売パートナーと締結する「再販基本契約書」の電子化に着手したという。システム導入に至った背景として「印紙代のコスト削減」「契約書管理の一元化」「契約業務の工数削減と簡易化」の3点を挙げる。パートナーとの間に年間約900件もの契約書が発生しており、そのコストを抑えるのが狙いだ。
「紙の契約書で締結する際、1通あたり4000円の印紙代が発生していました。電子契約を交わす際は印紙税が不要となるため、電子化によってコスト削減を実現できました」
同社には全国に支社・支店があり、締結した契約書は各拠点で保管していた。そのため「書類を探すのに時間がかかる」などの課題があったが、これも電子化で書類を一元管理し、権限者であればオンラインから検索閲覧ができるようになったことで、業務工数の削減につながっている。
また、契約を結ぶ際、紙書類では印刷や製本、押印、返送といった作業が発生する上、コロナ禍では外出が制限されたため締結までに相当な時間を要していた。システム導入後はオンライン上で契約が完結でき、従来は2週間かかっていたところ1日程度にまで短縮できたという。
「契約処理をスムーズに進められ、業務のスピードアップを図ることができました。取引先のお客さまからも『契約にかかる工数が減り、非常に便利になった』とのお声をいただいています」
「複雑な法令への対応研修から導入支援サービスまで」オールインワンのシステムを提供(電子契約管理スターターパック)
このように電子サインに対応することで、企業やその取引先が享受するメリットは実に多岐にわたる。しかし、デジタルや法律分野の専門人材が少ない中小企業にとって、いかほどの費用や時間が掛かるのか、と躊躇う向きもあるのではないだろうか。
そのハードルを下げ、要を押さえたデジタル化を実現できるのがNECの「電子契約管理スターターパック」だ。電子サインツールだけでなく、文書管理ツールや、ユーザー企業の課題になりがちな導入支援、法令対応に関する研修もオールインワンで提供し、企業の不安を解消できる心強いサービスである。その「心強さ」は、同社自ら電子サインを導入した経験・ノウハウにより裏打ちされている。小方氏自身も「この電子契約管理スターターパックがあれば、スムーズに電子契約管理を導入していただけるでしょう」と胸を張る。
<NEC「電子契約管理スターターパック」のご紹介>
「電子契約管理スターターパック」では電子契約・文書管理サービスのライセンス提供のみならず、法令対応研修や導入支援サービスもセットでご提供します。
【パック1 電子契約】
「Acrobat/PDF」を開発したAdobeが提供する電子署名クラウドサービス「Adobe Acrobat Sign」を採用。クラウド上でデジタル文書の署名・承認が完結できるほか、ISO32000-1に完全準拠し将来にわたって見読性を保証します。
【パック2 文書管理】
AIを活用した契約書管理サービス「OPTiM Contract」が、契約書から企業名、有効期間などを自動で抽出・分類し、入力作業の負担を減らします。また、契約更新漏れを防止する自動通知機能で管理コスト・リスクの低減も図れます。
「Adobe Acrobat Sign」と「OPTiM Contract」は自動連携し、契約締結から契約書管理まで一気にデジタル化を実現します。
【パック3 法令対応研修】
税理士・弁護士・社労士を抱える士業の企業グループ「ケインズアイコンサルティンググループ」が、改正電帳法対応の概要や各関連業法における注意点などの研修サポートを提供。研修後1カ月間はメールによるQ&A対応もあり、安心して電子契約管理業務をスタートできます。
【パック4 導入支援サービス】
システムの初期設定や操作方法をリモートでレクチャー、サポートします。システムの提供だけでなく導入後のサポート体制が充実している点は、これまで数多くの企業や官公庁のDXを支援してきたNECならではの強みです。
「当社も電子サインの導入検討から利用開始まで半年ほどかかり、中でも電子化の対象とする契約書の洗い出しや業務フローの見直しは特に苦労しました。だからこそ、サポートが充実している電子契約管理スターターパックの利用をおすすめしたいですね」と小方氏は述べる。
さらに「社内にノウハウを蓄積できたことで、お客さまの導入支援においても業務整理のポイントを踏まえてサポートできるようになった」と自信を見せる。これから電子契約・契約書管理に対応しようとしている企業にとって頼もしい言葉である。
デジタル化は企業が成長するチャンス
企業が扱う文書の種類は業種・業界、部署によって千差万別だが、電子化をスムーズに進めるポイントは「まず対象となる文書の種類を絞ること」だという。
「私たちはまず再販契約書から電子化をスタートしましたが、対象となる文書が多岐にわたると業務設計が複雑になり、システム導入までに時間がかかってしまいます。まずはスモールスタートで操作に慣れ、徐々に対象を広げていくといいでしょう。社員もシステムの効果を実感し、『この契約書も電子化したい』といった声も上がっています」
電子化は企業の業務プロセスを改善する機会となるだけでなく、事業においてさらなる成長のチャンスになり得ると小方氏は語る。
「売上拡大や人材確保、営業力強化など中小企業が抱える課題は多岐にわたります。デジタル化によって組織の生産性を上げることで、課題解決や新事業創出にリソースを割くことができるのではないでしょうか」
電子契約・文書管理ツールの導入のきっかけに業務のデジタル化を推進し、新たな企業価値を創造する。デジタル化は日本の中小企業にとって飛躍の転換点となるかもしれない。
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日本電気株式会社(英文: NEC Corporation)
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お問い合わせ先:パートナーセールス統括部(email)