外宮は「げく」、内宮は「ないく」

 この神社には、伊勢神宮と同じように外宮と内宮がある。しかし、こちらでは「げくう、ないくう」ではなく「げく、ないく」と読む。祀られている神々も違う。

 伊勢神宮内宮の祭神は天照大御神、外宮の祭神は豊受大御神であるが、こちらの内宮の祭神は天照大御神、多紀理毘売命、市寸島比売命、多岐都比売命。外宮の祭神は天津彦火瓊々杵尊、天之御中主神である。

 こちらの内宮の天照大御神以下の三柱は、宗像三女神という姉妹の神々。外宮の天津彦火瓊々杵尊は高千穂の峯に降臨した天孫、天之御中主神は古事記の冒頭の天地開闢に登場する神である。ということで、京のお伊勢さんと呼ばれるこの神社は、実は伊勢神宮とはかなり成り立ちが違い、天孫降臨神話に関わりが深いことがわかる。

日向大神宮 外宮

 外宮と内宮は伊勢神宮と同じ神明造りだ。千木がそそり立つその姿は、神代の時代を思わせる。京都市内には、この様式の社殿を持つ神社はめったにない。境内には外宮、内宮以外にもゆかりの神々を祀る社が多いので、ひとつひとつお参りしてみよう。

日向大神宮 内宮