ショボくてもいとおしい、大名が住む「陣屋」の魅力

教養として役立つ「日本の城」(24)
2020.6.30(火) 西股 総生 follow フォロー help フォロー中
生活・趣味歴史
シェア7
このエントリーをはてなブックマークに追加
この写真の記事へ戻る
三日月陣屋(兵庫県)。撮影/西股 総生(以下同)
写真1:静岡県の山あいに残る小島(おじま)陣屋の石垣。陣屋の石垣が全域にわたって良好に残っているのは、全国的にも珍しい。滝脇松平家1万石。
写真2:兵庫県の山あいにある柏原(かいばら)陣屋は織田家2万石。写真でわかるように堀や石垣はなく、御殿が塀で囲まれているだけだ。この陣屋を建てた織田家は、信長の次男・信雄の子孫だ。
写真3:福岡県の秋月陣屋は秋月黒田家5万石。普通なら城持ちになる石高だが、福岡黒田家の分家なので、遠慮して陣屋で済ませている。周囲には陣屋町の風情がよく残り、散策すると楽しい。
写真4:兵庫県の三日月陣屋は森家1万5千石。トップ写真のように正面から見ると立派だが、横へまわるとこのとおりスッカスカ。すぐ後ろには高台になっていて、これでは戦いようがない。
写真5:三日月陣屋の正門は堂々たる櫓門。城っぽくて、ここだけ見ると、かなり立派! ちなみに、三日月藩森家は津山藩森家の分家。森家はもともと織田信長の家臣で、ヤンチャな家柄で鳴らしていた。
写真6:小島陣屋の表門。石垣でカッチリ囲まれた枡形虎口。でも、小さすぎ。ガチで攻めてきたら、防げないだろうなあ。
写真7:兵庫県の林田陣屋は建部(たけべ)家1万石。石垣のほか、敬業館という藩校の講堂が残っている。小藩でも藩士の教育は手を抜いていなかったことがわかる、貴重な建物。実は、兵庫県は陣屋の宝庫なのだ。
おまけ:秋月の陣屋町を散策中に立ち寄った茶店に、「むし雑煮」という看板が。見たことのないメニューだったので、いただいてみたけれど、茶碗蒸しの中にお餅が入っている感じで、おいしく小腹を満たしてくれた。こんなふうに、事前にあまり情報収集せずに、自分のカンを頼りにおいしいものを見つけるのも、僕流の城の楽しみ方。

ライフ・教養の写真

住宅ローンは最長35年ではなく「50年超」の時代、バブル崩壊時の悪夢“100年ローン破綻”の再来はないのか
「八村発言」が日本バスケ界に激震を呼んだ理由、絶好調Bリーグだが「カネ儲けと選手強化」にジレンマ
今年のナイキ「EKIDEN PACK」はどう進化した?選手たちが語るコレクションの魅力と箱根駅伝への思い
「納得がいかない」「誤審ではないか」紛糾する事態は数知れず…なぜサッカーのVARだけが問題となるのか?
『源氏物語』だけじゃない、時代を超えて愛される「平安文学」の魅力と影響、当時の批評から国宝の屏風、現代作品も
「不思議なスポーツと思われないように」フィギュアスケートという採点競技を放送するうえでの不安と、成功へのカギ

本日の新着

一覧
ここまできた、中小製造業の人手不足を補う技術がスゴイ…南部鉄器のベテラン職人の思考が詰まった「AI師匠」も誕生
【公庫総研と考える】伝統の感覚・技術・頭脳まで省力化投資で補完する時代に
田中 哲矢
「納得がいかない」「誤審ではないか」紛糾する事態は数知れず…なぜサッカーのVARだけが問題となるのか?
サッカーのVARは何が問題なのか?(前編)
西股 総生
今年のナイキ「EKIDEN PACK」はどう進化した?選手たちが語るコレクションの魅力と箱根駅伝への思い
駒大・桑田、中大・柴田、東海大・兵藤、東洋大・石田が語る「EKIDEN PACK」の使用感は?
酒井 政人
新聞・テレビはなぜ「役に立たない」と見なされるのか?選挙期間中にこそ高まる政治への関心、なのに報道は抑制的に
【西田亮介の週刊時評】兵庫県知事選「後味の悪い」結果を生んだSNSとマスメディアを読み解く
西田 亮介
フォロー機能について

フォロー機能とは、指定した著者の新着記事の通知を受け取れる機能です。
フォローした著者の新着記事があるとヘッダー(ページ上部)のフォロー記事アイコンに赤丸で通知されます。
フォローした著者の一覧はマイページで確認できます。
※フォロー機能は無料会員と有料会員の方のみ使用可能な機能です。


設定方法

記事ページのタイトル下にある「フォローする」アイコンをクリックするとその記事の著者をフォローできます。


確認方法

フォロー中の著者を確認したい場合、ヘッダーのマイページアイコンからマイページを開くことで確認できます。


解除方法

フォローを解除する際は、マイページのフォロー中の著者一覧から「フォロー中」アイコンをクリック、
または解除したい著者の記事を開き、タイトル下にある「フォロー中」アイコンをクリックすることで解除できます。