朝鮮式山城、城柵、戦い方で変化してきた日本の城

教養として役立つ「日本の城」(17)
2020.5.12(火) 西股 総生 follow フォロー help フォロー中
生活・趣味歴史
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復元された鬼ノ城の城門(岡山県)。(撮影/西股 総生、以下同)
写真1:多賀城(宮城県)。8世紀、律令国家が蝦夷を支配するための軍事拠点として設置。平時は陸奥国を治める国府として機能した。(写真/アフロ)
写真2:胆沢城(岩手県)。坂上田村麻呂が802(延暦21)年に築き、後三年の役の頃まで約150年にわたり鎮守府として機能した。政庁地区回廊跡から東脇殿跡・正殿跡を望む。(写真/Wikipedia
写真3:吉野ヶ里遺跡(佐賀県)。弥生時代の環濠集落は、歴史的には日本の城の源流といえる。ただし、環濠集落の築城技術が、そのまま古代や中世の城に受け継がれていったわけではない。
写真4:鬼ノ城(岡山県)。石垣の一部は1300年をへて残っている。このような高度な土木技術は、当時の日本にはなかった。環濠集落とはまったく異なる技術によることが明らかだ。
写真5:鞠智城(熊本県)に復元された倉庫。東北の城柵官衙にも、同じような倉庫が建てられていたことだろう。
写真6:平安時代に入ると、山城の軍事機能は次第に失われていった。写真は鬼ノ城の倉庫跡。広大な城域内からは、このような礎石がたくさん見つかっている。
おまけ:古代史の解明には考古学的知見が欠かせない。考古学というと、メディアでは華々しい発見が取り上げられる。しかし、考古学とは膨大なデータをもとに、地道な検証を積み重ねて、はじめて事実が見えてくる学問だ。決して、一つの発見で何かが塗り変わるわけではないことを、覚えておこう。写真は大塚遺跡の竪穴住居跡。

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