澄んだ池の水に鯉が戯れる。秋には紅葉が美しい (moksa提供)

苔庭で名高い瑠璃光院のそば。青苔に心和む、うるおいの庭
moksa

京都には、苔の生育に適したエリアがいくつかある。比叡山の西麓、高野川が流れる八瀬もそのひとつ。ここでは山々と渓流の両方から湿った空気が流れ、一年を通して潤いに満ちている。「moksa」は、ここにあった保養所を庭ごと受け継いで、「rebirth=生まれ変わり」をテーマにして2022年にオープンした。

自然環境に恵まれた「moksa」の庭園は豊かな苔とカエデや桜の樹々が美しい。「庭全体が美しい苔に彩られていて、特に茶室へ向かう露地では、シッポゴケが沢山生えています。その名の通り、ふわふわの毛足が見事です」(烏賀陽さん)。高野川から引き入れられた澄んだ池の水の音は客室にまで届いて心地よい。

窓越しにも感じられる潤いのある空気。すぐ近くにある瑠璃光院は、この気候に育まれた苔の美しさで名高い(moksa提供)
moksaスイートツインの、ガーデンビューのバスルーム(moksa提供)

平安時代には貴族の保養地として親しまれてきたというこの地のいわれを思い出させる、さながら山の桃源郷のような庭にい癒されたい。

Lounge帰去来では、庭を眺めながら養生茶やクラフトビールをいただける(moksa提供)

moksa
京都市左京区上高野東山65
https://moksa.jp/

初夏から秋にかけて見どころとなる、京都の苔庭を案内した、烏賀陽百合さんの新刊『京都、美しい苔庭さんぽ』(講談社)は、5月23日に発売される。