古き良き時代のもてなし文化を伝える、料亭建築と露地庭
そわか

縁側から庭に出られる部屋もある

祇園八坂にある、創業から100年を超える老舗料亭を改装したスモールラグジュアリーホテル 「SOWAKA そわか」。この数寄屋建築は、部屋ごとに専用の廊下や階段が設けられており、隅々まで古き良き時代の洗練されたもてなしが息づいている。

2階、浴室横の休憩スペースから庭を見下ろす

庭は各部屋を囲むように配置され、茶室へと続く露地庭となっている。 庭は茶室の理想の境地である「市中の山居」を体現するかのように石が配され、苔が生え、水が流れることで日常から隔絶された趣をたたえている。

茶室への通路である露地庭

かつて茶事が行われた茶室は現在、宿泊客が過ごせる部屋となっており、「吉野窓と呼ばれる円窓からは、緑や丸い石灯籠が見え、笠の上の宝珠が鳥の形で可愛らしいので、お見逃しなく」(烏賀陽さん)。

茶室の「吉野窓」から見える灯籠。宝珠が鳥の形

デザインには遊び心が散りばめられており、庭を望む部屋のなかには、縁側から直接庭に出られる客室もある。水音が絶えない露地を眺めていると、谷崎潤一郎や川端康成が描いた古都の風景に思いを馳せられるだろう。

せせらぎの水音が心地よい

そわか
京都市東山区清井町480
https://sowaka.com/