文=金子浩久、写真=ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京、金子浩久

マイ・ポルシェの実力を知るべく木更津の山間へ

 ポルシェが世界で9番目に設立した「ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京」を自分の718ボクスターで走ることができました。千葉県木更津市の山間部に存在していて、一周2.1kmの周回路の他、ハンドリング路やブレーキ確認とスラローム走行など、各種のコースが設けられています。インストラクターの指導によって、安全にポルシェを限界まで試すことによって、各車の実力と魅力を知らしめ、宣伝にもつなげていく施設です。

 2021年のオープン当初は、センターに用意されたポルシェのニューモデルでしか各種コースを走ることができませんでしたが、参加者が自分のポルシェを持ち込んで走れるようになったというわけです。センターが保有している新型ポルシェで走行するプログラムに対して、オーナーが自らのクルマで参加するのは「オーナーエクスペリエンス」と呼ばれます。

 事前に送られてきていた簡単な安全点検項目を再確認し、ちょっと早目ですがタイヤ4本も交換済み(「パンクした話」の回を参照下さい)です。

みんな出来る? プロも勉強になるレッスンから

 インストラクターが運転するセンター所属の鮮やかな「シャークブルー」(オプション価格35万2000円)の718ボクスターに付いて、ブレーキとスラローム走行。無線機を通じて、アドバイスを授けてくれます。これは難しくありませんでした。

 次に場所を移して、ハンドリング路。タイトコーナーをいくつもつなげた短く狭いコースです。

 スピードはあまり出せませんが、タイヤからスキール音を出さないように周回するのが難しい。どのくらいのスピードでどこのくらいの角度までハンドルを切ると音が出てしまうのかコントロールしながら走るのが簡単ではありません。でも、自分のクルマが微細な操作の違いに反応しながら走るのを確かめることができたのは大きな収穫でした。

 さらに難しかったのが、キックプレート。水が流されている広く平らなアスファルト地面の手前に埋め込まれた鉄板がリアタイヤが40km/h以上で通過する時に遠隔操作によって自動的に素早く左右どちらかにスライドするのです。何もしなければスピンですが、ハンドル操作で防ごうとしても防ぎ切れませんでした。左右どちらにスライドするのかはランダムなので、どちらにスライドしたとしても瞬時に反応してカウンターステアを当てなければなりません。

「ハンドルの握りを少し緩めてみて下さい。強く握りがちなので、操作が遅れてしまっています」

 インストラクターから有益なアドバイスをもらいました。

 同じように水を流した平面を円を描きながら回るレッスンも簡単ではありませんでした。もう一度来て、練習したいですね。