世界の名画が陶板で大集結

大塚国際美術館外観 画像提供:大塚国際美術館

「渦の道」から車なら約5分、徒歩では約20分のところにあるのが「大塚国際美術館」です。陶板で原寸大に再現した世界26カ国の西洋名画が約1000点展示されています。延床面積2万9412㎡という日本最大級の常設展示スペースには、190余の美術館が所蔵する古代壁画から現代絵画まで観ることができ、美術史の流れがよくわかる構成となっています。

 陶板名画は陶器の板に原画を色や大きさまで忠実に再現したもので、劣化しません。また現地で観ているような臨場感も味わえます。

 とくに圧巻なのがヴァティカンのシスティーナ礼拝堂の天井画および壁画を空間ごと再現している立体展示です。『第69回NHK紅白歌合戦』で徳島出身の米津玄師さんが「Lemon」を歌って話題になりました。ミケランジェロの大作である天井画と壁画は、現地と違って制限なく間近でじっくり味わうことができます。

スクロヴェーニ礼拝堂を再現した展示室 画像提供:大塚国際美術館

 また、イタリアのパドヴァにある14世紀初頭に建造されたスクロヴェーニ礼拝堂の立体展示も見応え十分。初期ルネサンンスの巨匠ジョットの最高傑作とされるフレスコ画《最後の審判》《キリストの生涯》《聖母マリアの生涯》が、礼拝堂の堂内と同じように壁面と天井に再現されています。このほかにも古代遺跡や教会の壁画を再現した環境展示があります。

ボッティチェリ、フラ・アンジェリコなど、いろいろな画家が描いた「受胎告知」を集めた展示室 画像提供:大塚国際美術館

 レオナルド・ダ・ヴィンチの《モナ・リザ》をはじめルネサンスやバロック、近代、現代と美術史の変遷がわかる系統展示、トロンプ・ルイユ(だまし絵)や、「食卓の情景」、「運命の女」といったテーマごとにいろいろな画家の作品を集め、比較できるテーマ展示もあります。

モネの「大睡蓮」に面している居心地の良い「カフェ・ド・ジヴェルニー」 画像提供:大塚国際美術館

 カフェ、ショップのラインナップも充実しているので、時間が経つのも忘れてしまうほど。

見晴らしの良い庭園 画像提供:大塚国際美術館

 当日に限り再入場(要手続き)できるので、渦潮が観られる時間に合わせて、「渦の道」へ行けば無駄なく1日を過ごせます。