お酒の神様

 ご神体山の松尾山を背後にした境内には、さまざまな見どころやご利益スポットがある。まず目につくのは、全国から奉納された酒樽を壁面に積み上げた神輿庫や「お酒の資料館」など、酒にまつわる建物だ。

松尾大社 神輿庫

 酒造は秦氏が伝えた技術のひとつであるため、この神社は「日本第一酒造神」としても崇敬を集めており、お酒を飲む人、売る人、作る人、それぞれのために三種類のお守りが準備されているほどだ。資料館では、松尾大社とお酒のかかわりや酒造の工程なども詳しく知ることができるが、それはお参りの後にして、まずは本殿に向かおう。

松尾大社 楼門

 二の鳥居に続いて立派な楼門があり、左右に随神が祀られ、周囲にたくさんの杓子が差し込まれている。この杓子に願いごとを書いておくと叶うと言われている。

松尾大社 本殿

 続いて舞殿、その先に回廊に囲まれた御本殿がある。松尾造りと呼ばれる壮麗な建物だ。この建物は、大宝元年(701)、秦氏の秦忌寸都理が勅命を受けて創建し、以来何度も改装された。現在の社殿は室町時代の初期に建てられ、天文11年(1542)に大修理が施されたものである。

 本殿右側の廊下をくぐると、右手に神泉・亀の井がある。こちらに湧き出す水は「よみがえりの水」と呼ばれ、諸病快癒や延命長寿などのご利益がある。この水で作ったお酒は腐ることがないとも言われる。

松尾大社 霊亀の滝

 その先には、近年パワースポットとして人気の霊亀の滝。昔、ここで珍しい亀が見つかったという言い伝えがある。勢いよく水が流れ落ちる岩肌には、天狗の顔の形の岩もある。これを天狗岩といい、見えた人にはたいへんなご利益があるというが、実は長年の水流によって摩耗し、詳しく説明してもらっても、「うーん、そう言えば鼻のようなものがあるかな?」という感想しかなかった。いや、心のきれいな人にはちゃんと見えるのかも知れないが・・・。