安全策を取る「管理総務」から卒業しよう

 こうした改革において総務が最終的にすべきことは、戦略的な経営稟議(りんぎ)です。

 経営稟議(りんぎ)では、KPI・目標設定(例:テレワーキング率、本社面積削減、ペーパーレス・電子プロセス、ポートフォリオ戦略、FMベースラインコスト削減など)を、まずは“ざっくりと”でよいので明確化し、社内合意を得ます。策定した後は、新たな投資戦略を立て、管理部横断計画・予算設定案を作成します。

 途中、経営陣などから「それは正解なのか」などと聞かれたら、「決めなければ先に進まない」と突っぱねることも必要です。それが総務としての“戦略”なのですから。

 戦略的に総務が行動することで、次のような効果が期待できます。

●経営が動く(KPIで成果が見え、財務コントロールもできる)
●外部専門業者が戦略に共鳴しシンクロする
●社員はHAPPY!(Well-being、社内マーケティング、ダイバーシティー)
●生産性が上がる(成果vsコスト/人/月、ROA向上)

 かの豊臣秀吉は「戦は六、七分の勝ちを十分とする」という言葉を残したと言われています。私はこの言葉が「総務」にも当てはまると思っています。

 過去の自省も含めて言えば、旧時代の「管理総務」は失敗を怖がる減点思考で安全策を取る(「ユーザー=従業員」に聞く)傾向にありました。総務が経営陣に上申しても「従業員がそう言うならば」との経営判断を下すため、なかなか変革が起こりません。

 今求められているのはそうした管理総務から「戦略総務」への転換です。秀吉の言葉を借りるならば、「70%くらい行けそうならば行ってしまえ」と断行できる“攻める総務”です。プロの総務として「戦略総務」を貫くなら、管理総務のように経営陣やユーザーに責任転嫁することはできません。自ら責任を取る姿勢が求められます。併せて実行力も求められますが、それは外部の力を借りる方法もあります。「戦略総務」の考えのもとで新たなビジョンを持ち、いまこそ改革に乗り出しましょう!