
本コンテンツは、2021年3月17日に開催されたJBpress主催「第5回 ワークスタイル改革フォーラム」Day1のセッションⅠ「属人化解消!組織変化に対応し、バックオフィスの生産性を高めるための業務改善プロセス」の内容を採録したものです。
freee株式会社
プロダクト戦略本部 業務改善コンサルタント
尾籠 威則氏
企業のバックオフィスに立ちはだかる
「属人化」問題
企業のバックオフィスで、効率的な業務フローを構築したい——その最も大きな障壁が「属人化」の問題だ。
例えば、ある企業の場合、業績好調なA部門に営業事務を拡充させるため、B部門の担当者を異動させる話が持ち上がったとする。しかし、B部門にはその担当者しか取り扱えない業務システムが存在し、しかも、代わりの人材を採用するにもトレーニングのリソースがなかった・・・。そうしたケースは、どんな企業にも起こり得る「あるある」だ。
クラウド会計ソフト「freee」を開発・販売するfreee株式会社 プロダクト戦略本部の尾籠威則氏は「属人化——何をやっているか分からず、その人だけが分かるルールで業務が遂行されている状態——が、組織変革やビジネス成長の足かせになる」と警鐘を鳴らす。
そして、「まずは属人化をひも解き、業務標準化を実践しましょう」と呼び掛ける。
尾籠氏は属人化の要因について、こう分析する。
「例えば、出張の際、私は東京・新大阪間を新幹線で移動します。新幹線を使わないルートを調べると『所要時間9時間超、乗換回数7回』。これではとてもビジネスにはなりません。新幹線を使えば『所要時間2時間23分、乗換回数0回』です。
なぜ、新幹線は“早い”のでしょうか。違いは明らかです。新幹線は乗り換えのない1本の専用路線で高速。新幹線を使わない場合、乗車する公共交通機関ごとにダイヤが異なり、乗り換えのたびに、詳細を調べる必要があります。新幹線ならその手間は要りません」
同じことがビジネスにも言える、と尾籠氏は言う。
「多くのバックオフィスでは、営業部門による見積書や納品書の作成・印刷に始まり、経理部門への請求書の作成依頼・経理部門での印刷・郵送、台帳の記入、会計ソフトの記帳、入金確認、消し込み、売掛台帳の記入、再び会計ソフトの記帳・・・と、何かしらの作業がその都度、発生します。各作業の使用ツールやツールごとのマニュアルも異なり、たくさんの転記作業・チェック作業が生まれるため、おのずと煩雑になるのです」
業務標準化を実現する3つのアクションとは?
尾籠氏のセッションは「業務標準化の具体策」「業務見直しプロジェクトの具体的プロセス」の話題に移行する。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングが行った「人手不足対応に向けた生産性向上の取組に関する調査」によると、業務見直しを行うに当たって課題となる事柄の上位を占めたのは「業務に追われ、業務見直しの時間が取れない」(50.6%)、「取組を主導できる人材が社内にいない」(24.1%)、「取組の目的や目標が上手く設定できない」(17.5%)だった。
尾籠氏はこの各々の課題に、業務標準化の具体的アクションを示す。
① 理想の姿と現状を整理してみる(課題:取組の目的や目標が上手く設定できない)
理想を描くことで初めて、変えなければいけない現状と行うべき対策が具体化される。特にビジネスプロセスの整理においては「As-Is(現状)/To-Be(理想)」分析で現状の把握・可視化を行うのが有効だ。
② 取り組む体制をつくってみる(課題:取組を主導できる人材が社内にいない)
業務見直しをプロジェクト化する際には「オーナー」「リーダー」「メンバー」の3レイヤーごとに担うべき役割を整理する。「プロジェクトオーナー=責任の所在を明確化/業務見直しが滞った場合の方向性判断」、「プロジェクトリーダー=業務見直しの方向性と推進/メンバーとの調整」、「プロジェクトメンバー=課題のブレスト/業務見直し結果の実行」で役割分担されていると、プロジェクトはスムーズに進行し、成功しやすい。
③ 対応策でなく現状のフローを見返してみる(課題:業務に追われ、業務見直しの時間が取れない)
対応策を講じていくためには“今”を知らなければならない。そのためにも①で行ったAs-Is(現状)が重要で、とりわけ業務フロー図の策定がとても有効な方法だ。例えば、請求書発行をフロー化すると「承認作業が多い」「紙もツールも転記作業も多い」といった課題が明確になる。業務フロー化というと難しく考えがちだが、用意するのは付箋とホワイトボードのみでよい。
業務見直しプロジェクトを
成功に導く手順を示す
尾籠氏は、請求書発行の場合について、業務見直しプロジェクトの具体的プロセスも指南する。
●Step1:既存の業務フロー図を描く
業務フロー図に関してはまず、担当者が行っている既存作業を洗い出し、請求書発行依頼・承認・請求書作成などの作業を1つずつ付箋に記入。次に各作業で使っているツール(紙・ハンコ・Excelなど)も洗い出し、同様に付箋に記入する。さらに各作業の担当部門も洗い出す。これをホワイトボード上にまとめれば、その会社における請求書発行の業務フローが完成する。
「その上で、負荷になっている作業と改善点を洗い出します。既に担当部門ごとに時系列で業務が整理されているため『ここは確認が煩雑になりがち』『承認が遅い』『手作業での転記が大変』『郵送作業でミスが多発』といった課題が見つけやすくなっているはずです」
●Step2:適したソリューションを検討する
以上が終われば、ソリューションの検討に移行できる。
「属人化を防ぐための鉄則は『使うツールは極力少なく』『手作業で行う領域を減らす』の2つ。言い換えれば『1つのシステムでなんでもできたらいいね』『人が介在する定型業務はITで自動化したいね』ということです。それぞれにERPや、RPAなどによる自動取得・自動仕訳などのソリューションがあります」

●Step3:あるべき業務フローを策定する
ソリューションの検討を終えたら、検討したソリューションを再び、業務フローに落とし込んでいく。
「先のステップで業務フロー作成・課題の明確化を終えていますから、課題に応じたソリューションの姿も見えてきているはず。本来あるべき業務フローを策定しながら、電子承認・Web請求書・会計ソフトなどのソリューションへ落とし込んでいきましょう」
●Step4:スケジュールとチェックリストの作成
最終的にあるべき業務フローにのっとった形でスケジュールとチェックリストを作成する。
「その会社の月次締めスケジュールから逆算し、購買申請→証憑受領→支払依頼or経費精算→支払処理、原始証憑提出・保管・・・といった作業、およびそこに付帯する承認作業などをワークフロースケジュール上にまとめておくとより効果的です。作業ごとのチェック項目(注意事項)を設けて共有すれば、ミスも抑制できます」
freeeの導入は“新幹線に乗る”のと同じ
freee株式会社もまた、煩雑になりやすいバックオフィス業務の有効な手立てとなるソリューションとして、企業規模に応じた経理・会計ソフト、クラウドERP、人事労務ソフトなどを数多くリリースしている。
尾籠氏は冒頭の「新幹線の例え話」になぞらえて、同社のクラウド会計ソフト「freee」についてこう話した。
「東京・新大阪間の新幹線移動が、新幹線を使わないルートに比べ、『使う交通機関の種類』『徒歩移動』を抑えられるのと同様、freeeを導入したオフィスは『業務ツールの数』と『転記作業の数』を圧倒的に抑えられます。
営業部門による見積書作成が終われば、クラウド上にデータが管理され、あとは関係部門がチェックをするだけ。使用ツール・マニュアルが1つに集約され、転記作業もなくなります。運用が圧倒的にシンプルになり、過ちの少ないリアルタイム経営が可能です。
そして、尾籠氏は最後にこうプレゼンテーションを締めくくる。「freeeは資本金1億円以上の上場(IPO)準備企業で、企業数の4〜5割に導入いただいています。ぜひ導入をご検討ください」
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