New Normalを見据えた営業&マーケティングの働き方の再設計ポイント

 具体的に働き方を再設計するにはどうすれば良いのか、ポイントを3つにまとめました。考え方の前提としては、現状の体制を維持しながらセールステックを導入するのではなく、思想から抜本的に入れ替えることが重要になります。

 1つ目が脱“エース営業”モデルです。コロナ禍においては、優秀な営業マンが営業活動におけるすべてのプロセスを担当するスタイルの営業は機能不全に陥りました。事業を維持できたのは、デジタルを活用して顧客発掘や関係構築などの業務を分業するモデルです。

 このデジタル分業モデルにおいては、コロナ禍でオンライン商談化したことで、これまで顧客と接する機会が少なかったエンジニアや設計部門なども商談に参加しやすくなり、クロージング力が高まる事例も出てきています。

 分業は、人と人の間で分業を進めてもあまり生産性は上がりません。大事なのは、人とデジタルの分業です。「社員が介在する価値があるか?」「高度な判断が必要か?」といった点を精査し、リモート化やセルフ化、自動化などを進めていくべきです。

 脱“エース営業”モデルを進めるに当たっては、あるべき姿を抽象的に描くのではなく、業務プロセスや活用するアプリケーションなどを全体視点でデザインし、具体的な設計図を描くことが重要になります。

 2つ目は営業の少数精鋭化・コンサル化です。コロナ禍では営業のお客さま対応が明暗を分けました。より具体的な提案をしてくれるなど、本当に困った時に助けてくれる営業が真のパートナーである、ということを痛感した経営者が少なくないのは火を見るより明らかでしょう。

 まさに今は営業の役割がシフトする時代の潮目です。営業は、売り切って終わりの従来型営業から、ビジネスコンサルとしての役割を果たすカスタマーサクセス型に変化していかなければなりません。

 コンサルへのシフトには『行動モデル』『知識スキル』『評価』のトータルでのプロトコル転換が必要であり、この大きな転換に当たっては企業の教育体制の整備も重要になります。

 プロトコル転換が進めば、従来はチームリーダーやマネージャーを目指すほかなかった営業のキャリアモデルにアナリストやネゴシエーターといった選択肢が加わり、人材の多様化も進むと考えられます。

 3つ目はナレッジCoE(Center of Excellence)による知見の集積です。営業の役割がコンサル化すればするほど、ナレッジの集約が重要になります。

 ナレッジマネジメントは昔から重要視されてはいたものの「人に紐付いていて、共有化されにくい」などの理由でこれまでなかなか進みませんでした。それが最近ではAI技術の進歩により実現可能になっています。

 将来的にはオンライン商談の会話を分析して営業話法・トークをモデル化することもできるようになるなど、これまで考えられなかったようなナレッジの集積が大きなテーマになる可能性も出てきています。

 テクノロジーの導入は不可欠ですが、根本的な組織改革も行う必要があります。ここで重要になるのがCoEです。CoEとは、顧客の問題解決につながるノウハウや人材を集約する組織横断の専門家集団のこと。

 組織改革によりCoEをうまく活用すれば、本社側の情報と現場側の情報をCoEを起点として効率的に発信できるようになり、コンサルの提案品質・スピードの向上が実現します。

 レイヤーズ・コンサルティングではBeyondコロナにおける変革を支援しています。「戦略」「業務・デジタル」「組織・人材」の三位一体の改革をスピーディに実現します。

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