確かに専門性に優れたアプリやツールを使い分けることで、業務をきめ細かく高いクオリティーで進めることは可能になりますが、一方でその数があまりに膨大になれば、多くの局面でアジリティが損なわれていく原因にもなりかねません。アジャイルな組織を実現するためには、真にビジネスを後押ししてくれるテクノロジーを、的確に選別しなければいけませんし、それらを有効に連携させるプラットフォームや仕組みを持つことで、業務や意思決定のスピードを向上させるべきなのです。

 実は私たちSlack自身も、これまで多様なテクノロジーによる活用法を模索してツールとしての完成度を向上させてきました。本セッションではその具体的な取り組みの一部を紹介し、皆さまが働き方改革を推進する上での参考にしていただければと思います。

Slackが社内で実施する取り組みの実例と
その効果 

 まずは前述の①から③にあったようなアラインメントを強化していくためのSlack活用策として、あらゆるメンバーがリアルタイムで情報共有できる体制を構築しました。

 これは決して難しい取り組みなどではありません。全社アナウンス用のチャンネルを設け、全ての社員が常に最新情報に触れられるようにしたのです。同様に部門ごとのアナウンス用のチャンネルも設けて、より細かなアラインメントの実現を図っています。さらに経営指標を確認するためのチャンネルを設置することで、共通の目標やゴールの設定を常に意識できるようになりました。また、営業成果を報告と成功ノウハウを共有するためのチャンネルも多数の社員が活用しています。

 これらに加え、経営陣と現場の相互理解を深めるための施策として、経営者に社員が直接質問をできる#exec-ama (ask me anything の略)というチャンネルを開設しました。「質問を受けた経営者は72時間以内に返答しなければならない」というルールを定めたことで、現場は常に経営陣の真意を理解しながら業務にあたることができるようになりました。