中国に学ぶOMO‐UX戦略と日本型DXの在り方

アフターデジタル時代到来

JBpress/2019.10.30

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 さて、OMOですが、Online Merges with Offlineを略したものです。小売業界をはじめ多くのビジネスではこれまで、オンラインとオフラインとを別のもとしてマーケティングなどの施策を実行してきたわけですが、アフターデジタル時代が到来した今、先ほどもお話したようにこの両者の間で垣根がなくなり一体化しているのが実情です。分かりやすい例としてAmazonを挙げましょう。同社は米国で2017年に食料雑貨販売の大手チェーン店であるホールフーズ(Whole Foods Market)を買収しました。

 多くの人々が「オンラインの雄であるAmazonが今度はオフラインの店舗における販売ビジネスにも乗り出した」と捉えましたが、本質部分をAmazon目線で言うならば「そうではない」のです。米国各地のホールフーズの店舗、つまりオフラインでお買い物をする場合にもAmazonの登録IDを用いて購入していく仕組みを作り上げたことにより、同社は各IDでユーザーのオフラインの行動までもデータとして蓄積していけることになりました。つまりはOnline Merges with Offline、オンラインだけでなくオフラインも掌握しながら、境目なくUX(顧客体験)を構築していける環境を作り上げた、というのが正解というわけです。

 OMOというものの大まかな概念が分かってきたかと思います。では、このアプローチが最も進んでいるのはどこなのかというと中国です。ビービットは上海および台北にも拠点を持ち、現地企業/日系現地法人のお客さまと多くのプロジェクトを行っていますが、当地でのOMOを基盤として構築されたサービスには目を見張るものがあります。いくつかの事例をご紹介しましょう。

中国の驚くべきデジタル先進事情

 中国のデジタル化が圧倒的スピードで進行していることは皆さんもご承知かもしれませんが、例えば都市部のスマートフォン所有率は97〜99%、モバイル決済プラットフォームの利用率は98%を超えます。日本の店舗におけるモバイル決済プラットフォーム利用率6%とは桁違いな状況です。中国で圧倒的シェアを持つAlipayやWeChat Payのメニューを開いてみると、そこにはありとあらゆるサービスが並び、このアプリさえあれば衣食住に困らないとさえ言える程なのです。