身長で海外に劣る日本の対策

バレーボール女子、ネーションズリーグ 、日本―セルビア第3セット、ブロックを決めガッツポーズする古賀紗理那 写真=共同通信社

 ポーランドは近年力をつけ、2008年北京大会以来のオリンピック出場をつかんだ。チームの柱は203cmのマグダレナ・スティシャク。昨年の欧州選手権でバストアウトサイドヒッター賞を受賞したスパイカーで、スティシャクをはじめとする高さも脅威だ。眞鍋監督の言葉のとおり、今年のネーションズリーグで日本はポーランドと対戦し0-3で敗れている。

 むろん、ポーランドに限らず身長で海外に劣る日本は、その対策も講じてきた。眞鍋監督が就任後、「サーブ、サーブレシーブ、ディフェンスで世界一をとる」をテーマに強化。粘り強いレシーブに加え、鍛えてきたサーブで相手を崩し、相手の攻撃の選択肢を狭めてやすやすとアタックをさせないことがその1つだ。

 細かなところを磨くことで高さに対抗することに重点を置いて歩んできた。それが功を奏すれば勝機が見えてくる。

 ブラジルは強豪の中の強豪と言ってよい存在。2008年北京、2012年ロンドンの覇者であり、東京大会では銀メダルを獲得している。その東京の主要メンバーも残っている。

 ただ、ネーションズリーグで日本はブラジルと2度対戦し、予選ラウンドでは2-3のフルセットで惜敗、準決勝では3-2で勝利と、拮抗した勝負を繰り広げた。勝利したゲームでは、ディフェンスの精度の高さが相手にプレッシャーを与え、その結果を呼び込んだ。臆することなく臨めば、勝利は不可能ではない。

 また、どのような内容で成績をおさめられるかもかかわってくる。各グループの3位のうち2チームは決勝トーナメントに進めるからだ。だからケニアにはストレート勝ちをおさめるのが理想で、ポーランド、ブラジルとの対戦でも、仮に敗れたとしてもセットをより多く奪うなど競り合うことが鍵を握る。

 パリ大会を最後に引退を表明している主将の古賀紗理那、エースであり石川祐希の妹である石川真佑ら、東京大会に出場した選手にとっては、予選敗退にとどまった東京のリベンジを期す場でもある。

 日本女子復権を高らかに掲げる大会となるかどうか。勝負のときが始まろうとしている。