いざサーキットへ 果たしてその味わいは?

 今回の試乗車はまだプロトタイプで、場所はサーキットのみでした。初対面したMORIZO RRは、前後バンパーや19インチホイールなどLBXとの差別化が図られてはいるものの、見るからにやる気満々のスポーティなではなく、レクサスとしての上質な空気感がきちんと表現されています。インテリアも同様に、LBXと同様の雰囲気を保ちつつ、専用のシートやステッチ、アルミ製ペダルなど、ディテールにこだわった仕様となっています。

エクステリアの専用デザインは、LBXに比べて主張し過ぎることなく上手にまとめられている。いっぽうで、空力や冷却性能など機能性もしっかり織り込まれている

 運転席に収まると、シートポジションがLBXよりも少し低くなっていることに気付きました。10mmわざわざ下げ、ブレーキペダルの踏面角度も再調整し、クルマとの一体感がより感じられるドライビングポジションとしたそうです。

インテリアは基本的にLBXの雰囲気を残しつつ、ディテールに専用の加飾が施されている。サーキットモードを選択すると、GPSの位置判定からサーキットだと認知されるとスピードリミッターが解除される

 LBXとの違いはしっかりしたボディの剛性感にも現れていて、溶接の打点を469箇所も増やしたり、12.8mにも及ぶ構造用接着剤の追加などの効果が現れていました。そして何より印象的だったのは、普通のドライバーが乗るとちょっと引いてしまいそうなガチガチのスポーティではなく、リラックスしたまま本格的なスポーツ走行ができる、大人の味付けになっている点でした。MORIZOさんは、こういう乗り味をご所望だったのかということがよく分かった次第です。

ハンドリングはステアリングレスポンスがよく、ドライバーの操作に対して極めて正確に動く。当日は試乗途中からゲリラ豪雨に見舞われたが、4WDの駆動形式の恩恵もあってスタビリティの高さに驚かされた

 サーキット走行は、路面の状態もよくヘルメットも装着しているので、乗り心地や静粛性といった快適性に関わる部分に関してはリポートできません。でも実際には、このクルマのオーナーのほとんどが基本的に公道をドライブするでしょうから、公道での立ち居振る舞いが大いに気になる所です。