コーディネート次第で黒も攻略が叶う

 モノトーンや無彩色は季節を問わず、ファッションのベースになってくる万能な色。しかし使い方を間違えると野暮ったく見える難しい色でもある。そこで今回は黒に焦点を当てて攻略の鍵をうかがった。

「黒の合わせ方については、お客様からもよく相談があります。まずメリハリのある色が似合う『ウィンター』は黒を大きく使うコーディネートがよく似合います。

『サマー』は全体で黒を使うと顔が重く写ってしまうのであまり顔まわりには置かず、ブラックデニムのネップ上に白が入っているものなど、真っ黒ではない黒アイテムを使うことがおすすめです。

『スプリング』は華やかな金色をプラスして暗さを軽減させます。おすすめは黒地にゴールドの柄が入っているネクタイや、ゴールドフレームのメガネなど顔まわりにアクセサリーで加えることです。

『オータム』は黒と一緒に黄みある暗めの色(カーキなど)を合わせて黒となじみやすいような配色に。イエローベースはモノトーンよりも茶系との相性がよく、黒を身につけると顔を暗く見せてしまいます。できれば黒の割合を控えめに、スタイリングを引き締めるためのワンポイント程度で加えることが最適です」

 スプリングタイプの北村氏自身、似合う色を理解していても場面に応じて好みの色を身につけるときもあるそう。そこで大切にしていることは、診断結果にとらわれすぎないことだと話す。

「僕自身、モノトーンより茶系が似合うスプリングタイプですが、好きな黒い靴を履くときもあります。もちろん、中にはパーソナルカラー以外は取り入れない人もいますが、そこまでストイックにならず、大事な会議に出席するときやデートに行くときなど顔写りを気にする場面で、似合う色を多めに取り入れることを勧めています。似合う色と好きな色をうまく使い分けて、縛られすぎず気軽に考えてほしいです」

 一番の主役は顔。あくまでもパーソナルカラーは顔をきれいに見せてくれる補填と捉えるとファッションを楽しむ余裕も生まれて程よいだろう。

 

「骨格診断」×「パーソナルカラー診断」から導き出される“似合う服”

 前回、北村氏から似合う服のデザインを知る手立てとして骨格診断を紹介してもらった。この両者の結果を加味すると、自分に似合う最適なファッションを知ることができる。

「骨格診断とパーソナルカラーは、その人の生まれ持った特徴で判断するため、歳をとっても結果が変わることはありません。そのため自分に似合うデザイン×色を知り、服選びの判断基準ができたと思ってほしいです。この結果を自分なりに使いこなして、ファッションの面白さを見出していただけるとうれしいですね」

 生まれ持った体の特徴を探る2つの診断を受けると、簡単にイメージアップが図れる。さらに似合う服を身につけることで気持ちの面でもポジティブに作用し、大切な場に自信を持って臨めることも大きなメリットである。これを機にビジネスシーンのみならずさまざまな場面で与えたい印象を有効的に使い分け、ファッションを自分らしく楽しんでほしい。

 

北村祐太(きたむらゆうた)
Style up Japan代表。男性専門のイメージコンサルタントとして、東京(神田)・銀座エリアで活動する。【メンズ顔タイプ・骨格・パーソナルカラー診断】を通し、"生まれ持った体の魅力を最大限に活かすファッション"を提案する。有名ファッション誌の監修や大手百貨店でのイベント開催など、豊富な診断経験をもとに経営者から学生まで幅広い年齢層・業界に顧客を持つ。趣味はキックボクシング。