「ドラマティック温泉街に逗留する宿」
夕食は、竹灯りが照らす半個室の食事処にて。大分の海の幸・山の幸が地域の器などで登場する会席料理だ。特別会席のメインは、魚介や鶏肉、牛肉を盛り込んだ鶏肉だしの「豊後なべ」。かぼすの爽やかさで食がすすむ。地酒とのマリアージュが楽しい。
宿のテーマは「ドラマティック温泉街に逗留する宿」。設計・デザイン担当の建築家・隈研吾さんは「“ドラマティック”は、朝・昼・夕方・深夜などの時刻や、季節ごとに変わるシークエンス(連続性)を表現するのにぴったり」とコメントしている。「館内を色々と歩きまわり、空気・風を感じて欲しい」とも。路地を模した石畳の廊下には暖簾が掛かるトラベルライブラリーや売店があるなど、そぞろ歩きが楽しめる。
夜のラボでは、別府地獄めぐりにちなんだドリンクのサービスやスマートボールなどを用意する。注目は、別府八湯を知り尽くした「温泉まちあるき名人」の登場だ。別府の町あるきやオススメの温泉などを教えてくれる。湯の広場で開催のご当地楽「湯治ジャグバンド」の演奏もあるなど、スタッフ・地域が一体となり、温泉街の賑わいを演出し紹介する。
総支配人の廣岡太郎さんは「別府に暮らして感じるのは、地元みなさんの生活に温泉が根付いていることです。地区ごとに共同浴場があり、温泉を中心に地域がつながっている印象を受けます。そうした別府の魅力を、お客様にお伝えしていきたい」と話す。
明治時代より人・モノ・文化を運んで発展した別府港ゆかりの温泉街を、「界 別府スタイル」で再発見しながら温泉逗留ができる。楽しみ、癒される温泉旅だ。