
※本コンテンツは、2021年6月30日に開催されたJBpress主催「第2回Marketing & Sales Innovation Forum」のセッション3「DX時代に求められる営業の変革とは」の内容を採録したものです。
アドビ株式会社
DXマーケティング&セールスデベロップメント本部 執行役員 本部長
祖谷 考克 氏
データに見るB2B購買顧客の変化
デジタルの浸透が進んでいる今の時代、人々の行動に変化が表れています。実際、デジタルが生活者の消費行動に大きな影響を与えていると感じるシーンはあふれています。例えば、「店頭で気になる商品があった際にWebで検索する」というシーンですが、アドビと日経BPコンサルティングが行った「Adobe Digital Marketing Discovery消費者行動調査2016」によると、60%の人が店頭でWeb検索すると回答しています。また、Webが期待に応えてくれなかった場合(ページがロードされない/画像が見づらい/レイアウトがスマートフォンに最適化されていないなど)、購買行動を中断するという割合は62%にも及びました。これらは2016年に行った少し古いデータですが、これと同じ行動は、さらに顕著になっていると考えられます。
上記はB2Cにおける変化ですが、同じことはB2Bでも見受けられます。アドビが2019年にリサーチ会社Forresterに委託して実施した企業向け調査によると、「購買担当者が購買活動を始める際、92%がオンラインの検索から始める」「デジタル上での情報収集を好む購買者の割合は68%」というデータがあり、それを裏付けています。
もう一つ興味深いデータがあります。2019年にアドビが9つの国と地域で実施した調査がそれです。「コンピューターと人、2つの情報ソースがあった際に、コンピューターよりも人とのやりとりの方を好む」という設問に対して、「Yes」と回答した人の割合は、日本が最も低い「23%」でした。これはアメリカやヨーロッパの半分以下の数字です。
以上のデータから、日本というマーケットでB2Bビジネスを進める際、デジタルを活用して、いかに顧客のニーズや知りたいという欲望に応えられるかということが重要か、お分かりいただけたと思います。
営業に残された時間は3カ月前後
バイヤージャーニーという言葉があります。一般的には、顧客が自社商品やサービスを知ってから購入するまでにたどる「認知→興味→サーチ→検討→購入→活用」のプロセスを指します。
マス広告が中心だったかつてのバイヤージャーニーでは、顧客が自ら調査する割合は限定的で、詳細を知る際の接点は、営業に問い合わせることで得られる情報くらいでした。しかし、デジタル広告が中心となる現在のバイヤージャーニーは、これとは一線を画します。多くの顧客はデジタル空間の中で商品やサービスのことを知り、その後検索/情報収集/比較/評価といったフェーズに長い時間を割きます。
その期間は「情報探索段階」に4〜4.5カ月、「評価/検討段階」に3.5〜3.8カ月、合わせると7.4〜8.3カ月ほどにもなります。おそらく評価/検討段階の後半のタイミングで顧客から声がかかり、そこから対面でのコミュニケーションが始まることを考慮すると、自社の営業に残された時間は3カ月前後です。その限られた期間の中で顧客の態度変容を促さなければなりません。
一方、こんなデータもあります(下図)。「情報探索段階」「評価/検討段階」「購入段階」において、どこの情報ソースが最も意思決定に関わるかを示唆するデータですが、いずれの段階においても、マーケティングから得た情報が大きく意思決定に関わっていることが分かります。しかもその数字は、セールスの数字よりも大きく、対前年比で見ても大きく伸ばしています。
営業活動におけるデジタルの役割が非常に大きくなってきていることがこれらのデータからも分かるでしょう。さらに付け加えるならば、「マーケティングの役割はますます重要になっている」と言えます。
マーケティングとセールスが一体となり営業するには
では、これらの変化に企業はどのような体制で立ち向かえばよいのか。一言でいうと、マーケティングとセールスが一体となった営業体制はどう確立すればよいのでしょうか。
バイヤージャーニーに各種機能を配置したとき、「認知から検討の間はマーケティングが担う」「検討から購入/活用の間はセールス/CSM(カスタマーサクセスマネージャー)が担う」と担当範囲を分けるのが一般的です。しかし、これでは現場で問題が生じます。往々にしてマーケティングとセールスの間でいさかいが起こってしまうからです。
原因は、両者が異なるデータを見て判断しているからです。マーケティングはWebサイトのPVやメールの問い合わせ件数を見ているのに対し、セールスはもっと具体的な相談の情報を見ています。これではお互いが、異なる言語で話をしているようなものです。双方のデータを見る仕組みを構築し、そこでの共有データを両者の「共通言語」としていくことで、下記のようなメリットが得られます。
セールス部門が「マーケティング」のデータを見ることのメリット
・検討が進み切る前に、必要にして最適なタイミングの見込み客を見付け、優先してアプローチすることが可能になる。
・これまでの行動履歴から顧客のニーズをより明確に把握することで、顧客が求める情報をスムーズに提供できるようになる。
マーケティング部門が「セールス」のデータを見ることのメリット
・マーケティング施策を評価する際、単純な指標だけではなく、最終的な着地点である事業貢献まで見据えた上で振り返ることが可能になる。
顧客体験を通して「レベニュー プロセス」を加速する
当社は「Adobe Marketo Engage」という製品を提供しています。同製品は「顧客体験を通して、レベニュープロセスを加速する」というコンセプトを持つマーケティングオートメーションツールで、世界中のさまざまな企業でご利用いただいています。Adobe Marketo Engage では、これまでに行われたマーケティング活動をSFA上から確認することもでき、CRM上から見込み客の状況を直接把握することができます。
生産性の高いマーケティング活動やセールス活動にも直結しますが、他方、顧客側からしてみても、同じ企業/ブランドから常に一貫性/連続性のあるコミュニケーションをしてくれることになります。Adobe Marketo Engage 導入により、顧客から「自分がしっかり見てもらえている」「大事にされている」「これからも付き合っていきたい」と思ってもらえる、そのきっかけを提供できる製品でもあります。
<PR>




