※コンテンツは、2021年3月25日に開催されたJBpress主催「第5回 ワークスタイル改革フォーラム」Day2のセッションⅣ「現場担当者に求められる、テレワーク環境での生産性向上と戦略人事とは?」の内容を採録したものです。
株式会社SmartHR
インサイドセールスグループ
山本 晃平氏
今の労働生産性を1.5倍にしなければいけない理由
2013年1月23日設立の株式会社SmartHRは、登録社数全国3万社以上のシェアナンバーワン クラウド人事労務ソフト※「SmartHR」を提供する。同社のインサイドセールスグループ山本晃平氏は、外資系IT企業でアカウント営業に従事した後、2020年にSmartHRへ参画した経歴を持つ。
※デロイト トーマツ ミック経済研究所「HRTechクラウド市場の実態と展望 2020年度」
近年、日本の労働人口は減少を続け、2015年に7600万人だった労働人口は、このままでは2030年には6800万人にまで減る試算だ。15年間で800万人の減少は、1日当たり約1500人の減少となり衝撃的な数値だ。さらに2019年4月1日から順次施行されている『働き方改革関連法』(正式名称:働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律)により、企業は大企業・中小企業を問わず、「従業員による労働時間の短縮」を余儀なくされており、一層、1人当たりの生産性を高める必要がある。
〈働き方改革関連法の8項目〉
①残業時間の「罰則付き上限規制」
②5日間の「有給休暇取得」の義務化
③「勤務間インターバル制度」の努力義務
④「割増賃金率」の中小企業猶予措置廃止
⑤「産業医」の機能を強化(事業主の労働時間把握義務含む)
⑥「同一労働・同一賃金の原則」の適用
⑦「高度プロフェッショナル制度」の創設
⑧「3カ月のフレックスタイム制」が可能に
「今の生産性を100とした場合、『労働人口による就労時間の減少率』と『残業時間ゼロによる労働時間の減少率』を掛け合わせると、生産性は69%に落ち込みます。つまり、今の成果を維持するためには、労働生産性を“1.5倍”に高めなければいけません」
他方で人材の流動化が進み、従業員にとっては「転職がしやすい」環境にある。半面、会社の数は減っておらず“転職はより簡単に、採用はより難しく”というのが昨今の採用市場のトレンドだ。
「女性活躍の推進、外国人労働者の雇用活発化、テレワークの積極導入、ミレニアル世代の進出など、従業員として組織で働く理由も複雑かつ多様になっています。
とりわけ2025年には、『情報リテラシーが高い』『物質的な豊かさよりも精神的な豊かさを求める』『仲間とのつながりを大事にする』『より社会貢献性の高い仕事に興味がある』といわれる“ミレニアル世代”が労働人口の半分を占めます。
こうした背景を踏まえ、今、企業は『何で組織を束ねるべきか』を真剣に考える必要があり、定性・定量の両面から組織の現状を把握することが重要です」