本コンテンツは、2020年3月4日に開催されたJBpress主催「Digital Innovation Forum 2020 <春>〜デジタル変革によるイノベーションの実現〜」での講演内容を採録したものです。
株式会社エクサウィザーズ 執行役員
大植 択真 氏
DXは組織や企業文化・風土まで変革するもの
当社は、AIを用いたプロダクト・サービス開発、及び企業のデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)やAI導入を支援するスタートアップ企業です。
昨年は約100件のプロジェクトを手掛けました。今日は、DXやAIの導入時に役立つ戦略を紹介するとともに、当社が将来的にどんな社会課題の解決を目指しているのかについてもお話しさせていただきます。
はじめに、DXとは何か、そして、日本企業がDXに取り組む際にどのようなことが課題になっているのかについて簡単に触れたいと思います。DXとは、単純にデジタルを使って業務を効率化するものではなく、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、最終的には、組織や企業文化・風土まで変革していくものです。
多くの企業は今、DXに力を入れる必要があります。2021年には日本のGDPの50%をデジタルサービスが占めると言われており、さまざまな調査結果から、デジタルサービスが今後長期間にわたって経済成長を推進するのも明らかです。
DXの推進に先進的な企業と先進的でない企業と比べると、生産性、顧客満足度、コスト削減などの面で、先進的な企業が2倍以上の恩恵を受けているという調査結果もあります。受ける恩恵の差は今後ますます広がると考えるべきです。
一方で日本ではDXに取り組む企業が増えているものの、業務効率化以上の成果はほとんど出ていないのが実情です。当社の分析によると成果が出ない原因は、主に「何を達成すべきかが不明確」「状況に応じて計画を修正しない」「関連部署を巻き込めない」という3つであると考えられます。
これらの課題を解決するに当たり、AIの活用が有力な選択肢と言えます。AIを他のデジタル技術と組み合わせると、より高度な成果を上げることができるようになります。にもかかわらず、人材不足やビジネスに適用させるためのノウハウがないといった理由でなかなか普及していません。
これらの課題を踏まえ、当社では、DX/AI導入に対する解決策を『DXの教科書』というフレームワークにまとめ、最終的に社会課題の解決といった大きなテーマにチャレンジできる組織をつくるための道筋まで踏み込んだ解説をしています。