自律と共創、チームで実現するデジタル変革

アジャイルなビジネス開発へと変革したKDDI

JBpress/2020.3.24

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本コンテンツは、2020年3月4日に開催されたJBpress主催「Digital Innovation Forum 2020 <春>〜デジタル変革によるイノベーションの実現〜」での講演内容を採録したものです。

KDDI株式会社
経営戦略本部 KDDI DIGITAL GATE センター長
山根 隆行 氏

日本ではデジタル技術者がビジネスに溶け込んでいない

 昔は既存のビジネスやプロセスにITを使って効率化、改善をするというのがITの主な役割でした。一方で、現在は新しく何かビジネスを始める際に最初から当たり前のものとしてITがある状態です。デジタルトランスフォーメーションを実現するにあたり、ITやデジタルは専門家による特別な領域として扱うのではなく、ビジネスと溶け合っている状態になければなりません。
 
 民泊サービスのAirbnb、動画配信のNetflix、配車サービスのUberといった企業は、もともとリアルのビジネスがあったわけではなく、デジタルを前提に、実在する世界を変革してきました。では、こういった企業に私たちがなれるのでしょうか。

 課題はいくつかあります。まず、ITエンジニアが所属する組織です。IPA(情報処理推進機構)の「IT人材白書2017」によれば、米国ではITエンジニアの65%がユーザー企業に所属しているのに対して、日本では72%がITベンダーに所属しています。このため、新しいビジネスを立ち上げようと思ったときに、米国なら社内にITエンジニアがいるので、すぐに始めることができるのですが、日本では外部に発注をしなければならないのです。

 大企業の場合は稟議を書く必要があります。稟議を承認してもらうには通常は投資対効果を求められます。新たなビジネスの創出には、さまざまなリスクがあります。「売れないかもしれない(顧客リスク)」、「十分な市場が作れないかもしれない(市場リスク)」、「新たな技術が出てくるかもしれない(技術リスク)」などです。このようなリスクが存在する中でやってみる前から正確な投資対効果を出すことは極めて困難です。とはいえ、新規ビジネスに手を付けないと私たちの将来はありません。