「スーパーダイバーシティ」とはつまり、イノベーションを創出・デザインし、具現化するための組織・人材づくりです。スーパーデザイナー、スーパープログラマー、スーパープロデューサーという3つの異種人材を擁立・育成することが不可欠になります。スーパーデザイナーは顧客の真のニーズや困り事を基にした体験をデザインし、ストーリーメイキングしていく存在。スーパープログラマーはデザインされた顧客体験を先進テクノロジーで具現化していく存在。そしてスーパープロデューサーは、両者を取りまとめ、事業モデルを創造し、ヒト・モノ・カネをコントロールしていく存在です。この3つの人材を確保するのは容易ではありませんが、レイヤーズ・コンサルティングでは大企業を中心とする400の企業の1,000の変革プロジェクトに携わっている強みを生かし、これら企業ネットワークの活用を通じてデジタル変革に必要な陣容づくりを支援しています。
次に挙げた「デザインシンキング」とは、先に述べたスーパーダイバーシティを連携させ、短いサイクルでアイデアの創出・検証・具現化・見直しを繰り返していく手法です。一方、「脱城下町」というのは既存のビジネススタイルからの脱却を意味します。連続的な成長を同質のメンバーでクローズドに進めてきたのが多くの大企業の既存事業であり、当然のように企業城下町のようなものが定まっていました。ところが、デジタルによる破壊的なイノベーションが導く非連続な成長は、多様性を積極的に受け入れながら、オープンな連携の下、不完全なものでもトライしていくことで達成されます。城下町にこだわっていても変革は実現しません。事実、ドイツのSAP社は、「脱城下町」として遠く離れた米国サンフランシスコに変革のための拠点を設け、同時に「企業風土の変革」も実行したことによってコア事業であったERP以外のビジネスが全体の6割を占めるようになったのです。