アポなしでソロモン諸島に飛び込み取材

 アポなしの飛び込み取材だったが、長年、ソロモン諸島に開発援助を行ってきた日本へのマライタの人々の感情はすこぶるよく、私が日本人であると知れば取材に非常に協力的だった。一方、中国人だと思われれば「アイヤー」などと言ってからかわれることもあった。

ソロモン諸島の州都アウキ=ドローンで撮影(写真:ジョー・ドン氏提供)

 町の人々、商店やホテル、ドライバー、スイダニ氏の親戚や政府関係者、元州官僚らからマライタの現状や問題点などを聞いてまわった。スイダニ氏のマライタ地元人気の高さを目の当たりにすると同時に、中国人、中国系商店に対する不満なども垣間見た。

 ソロモン諸島の今回の総選挙、つまり国会議員(定数50)と地方議会議員の同時選挙は4年に1度行われる。本来なら2023年に行われるはずだったが、パシフィックゲームズ(太平洋運動競技会)の開催と重なるとして、政権の都合で2024年に延期された。

ソロモン諸島で実施された総選挙の投票所(写真:筆者撮影)

 現与党はOUR党主のマナセ・ソガバレを首相として、カデレ党、ピープルファースト、民主同盟の各党と与党聯合(DCCG)を形成している。野党はマシュー・ワレ率いるソロモン諸島民主党、統一党、ソロモン諸島聯合党などが連立を組んでいた。

投票の仕方を説明するポスター(写真:筆者撮影)

 今回の選挙の焦点は、ソガバレ政権が維持できるかどうかだ。首都ホニアラでも、マライタ州都アウキでも、庶民にランダムに聞けば、多くはソガバレが好きではない、という。