水豊ダム周辺は軍事管理地区になっているため訪れることはできなかったが、満洲国時代のもうひとつの巨大ダム事業であった吉林省の豊満ダムは見学することができた。こちらは1937年に建設が開始されたものの、8割方完成したところで終戦となった。当時の計画では長さ1080メートル、高さ91メートル、出力40万キロワットの水力発電施設であった。新生中国になってから工事は完成され、現代にいたるも発電は続けられている。中国東北部で重化学工業が発展した基礎は満洲時代に築かれたともいえるだろう。2017年に撮影したこの写真の後ろに見えるダムが当時のオリジナル部分だが、老朽化のため手前に新しいダムを建設し、この結果2018年になってから古いダムは爆破されてしまった。
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