旧市街の中心部にあるホテル

博物館兼ホテルとなっているムスリベゴヴィッチ ハウス ダミアン・スミスロンドン(イギリス)出身, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons

 モスタルでおすすめのホテルをご紹介しましょう。内戦をくぐりぬけて奇跡的に残ったモスタルにあるトルコ風の建物「ムスリベゴヴィッチ ハウス」は、博物館兼ホテルとなっています。広大な土地を所有していたメフメト・ムスリベゴヴィッチが所有していた邸宅で、オスマン帝国時代のヘルツェゴビナの住宅建築の例として、国定記念物にも指定されています。

 博物館にはコーランの写本や、1866 年の装飾が施されたサーベル、公文書などが展示されています。公文書はアラビア語、トルコ語、ボスニア語が併記されたということからも、多文化の地であることがわかります。

 主屋は 1871 年から 1872 年にかけて増築され、建物の一部は12 の寝室のあるホテルとして使用されています。オスマン帝国時代の品物や芸術品が飾られていて、かつての栄光が偲ばれます。

 アンティーク家具と伝統的なボスニア・オスマン風のスイートルームには、異なる内装のベッドルームがあり、豪華なひと時を過ごすことができます。

伝統的なボスニア・オスマン風のスイートルーム 写真提供:ムスリベゴヴィッチハウス

 川沿いにある「ホテル クリヴァ チュプリヤ」もおすすめです。「クリヴァ・チュプリア」とはネレトヴァ川の支流ラドボリャ川に架かる橋の名前で、曲がった橋という意味です。1558年頃に完成したといわれるモスタルで最も古い橋でしたが、1999年の洪水で破壊され、2002年に再建されました。

「曲がった橋」のそばに建つホテル クリヴァ チュプリヤ デニス・ジャービス(カナダ、ハリファックス出身), CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons

 ホテルはこの橋のすぐ近くにあり、バルコニーからは旧市街の景色が望められるという素晴らしいロケーションです。客室は清潔感あふれるモダンなデザインとなっています。

クリヴァ・チュプリア橋とホテルの夜景 JYBデヴォート, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

 ホテル クリヴァ チュプリヤの近く、スタリ・モストから約60mの「ホテル エメン」もおすすめです。

石畳の通りにあるホテルとそのレストラン 写真提供:ホテル エメン

 レスランのメニューには新鮮な地元の食材をふんだんに使った伝統的な料理や多国籍料理を幅広く取り揃えています。

伝統的なボスニアンコーヒー 写真提供:ホテル エメン

 ディナーのあとにはぜひ、伝統的なボスニアンコーヒーといっしょに「フルマシカ」「バクラヴァ」「トゥファヒヤ」などの地元のデザートを召し上がってみてください。

清潔感のあるベッドルーム 写真提供:ホテル エメン

 モスタルへは首都サラエボから電車で約2時間。旧市街が世界遺産になっているクロアチアのドブロブニクからバスを使うと、約3時間半ほどです。

 モスタル旧市街の居心地の良いホテルに泊まり、翌朝はエメラルド色の美しさを持つネレトヴァ川沿いの美しい街を散策しながら、多民族・多文化の共生や平和について、思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

 

※旅行に行かれる際は外務省海外安全ホームページなどで現地の安全情報を確認してからお出かけください。

https://www.anzen.mofa.go.jp/