東海大、中央学大、明大、東京国際大、城西大は通過有力か

 エントリー上位8名の10000m合計タイムは、東海大、中央学大、明大、東京国際大、神奈川大、大東大、城西大、帝京大が〝通過圏内〟となる上位7校だ。なかでも東海大、中央学大、明大、東京国際大、城西大の5校は順当なら通過が有力だと予想する。

 東海大は関東インカレ1部10000mで花岡寿哉(2年)が28分15秒65で日本人トップ(2位)に輝くと、梶谷優斗(4年)も7位に入り、ダブル入賞。 エース石原翔太郎(4年)は同5000mで2位を確保するなど、今季は順調だ。1~2組で大きなミスがない限り、上位で通過するだろう。

 中央学大は10年連続で本戦出場中のチーム。10000m27分58秒60の吉田礼志(3年)は過去2回も最終組で激走しており、チームは2年連続で6位通過を果たしている。他にも10000m28分台が6人登録された。なお稲見峻(1年)は今回エントリーされた日本人ルーキーのなかで10000mは最速タイムとなる28分53秒53を持つ。

 明大は箱根駅伝と関東インカレを欠場したエース格の児玉真輝(4年)がエントリー。箱根駅伝7区区間賞の杉彩文海(4年)は関東インカレ1部ハーフでも4位に入った。他にも尾崎健斗(3年)と森下翔太(2年)が10000mで28分20秒台を持っている。スピードランナーが多いだけに、最大の敵は「蒸し暑さ」になりそうだ。

 東京国際大はエントリー上位8名の10000m合計タイムが5位。日本人選手のみの記録で、ここに留学生が加わることになる。今回は10000m(27分06秒88)で学生記録を樹立したリチャード・エティーリではなく、アモス・ベット(ともに1年)を登録した。ベットは6月10日の日体大長距離競技会のNCG5000mで13分16秒85のトップ。箱根駅伝の2~4区で区間記録を保持する先輩、イェゴン・ヴィンセント(Honda)にも先着している。また2021年の出雲Vメンバーである佐藤榛紀(3年)が登録されたのも明るい材料だ。

 城西大は今年の箱根駅伝でシード権を獲得したメンバーが全員残っている。なかでも山本唯翔(4年)、ヴィクター・キムタイ(2年)、斎藤将也(2年)の3人が頼りになる。前回4組で14位に沈んだキムタイは関東インカレ2部の長距離種目(10000m・5000m)で2冠を果たすほどに成長した。最終組では東京国際大・ベットとともにトップを争う展開が予想される。そして箱根5区で区間賞を獲得した山本か、10000mで28分33秒42を持つ斎藤のどちらかを4組以外にまわせるのも大きなメリットだ。

2023年4月21日、日本学生陸上個人選手権、男子10000mに出場した山本唯翔(城西大) 写真=長田洋平/アフロスポーツ