厳しい審査を経てルレ・エ・シャトーに加盟

べにや無何有 夕食の一部

 また、フランスで1954年に発足した一流のホテル、レストランで構成される世界的な非営利会員組織「ルレ・エ・シャトー」に「無何有」は2008年、加盟しています。日本の宿の加盟は現在11軒だけです。「ルレ・エ・シャトー」はホスピタリティの高さを象徴する協会として知られ、新規加盟には厳格な審査があります。

べにや無何有 夕食の一部

 食と旅の世界のベンチマークとなっていて、その土地の風土に根ざした美しいライフスタイルや魅力を提供する宿やレストランだけが加盟できることから、「無何有」には世界中から宿泊客が訪れるそうです。そのための外国人スタッフが8人います。「日本人はもちろん、世界のお客様をもてなしたという気持ちから」と女将の中道幸子さんは言います。

 

豊かな自然の中、温泉と薬草で心身のケアを

べにや無何有 庭

「無何有」の大きな魅力のひとつが、広い山庭です。樹齢300年を超える赤松のご神木を中心に、山桜、しだれ桜、山法師、楓、紅葉、藪椿、木蓮など大きな樹木が季節の移ろいを教えてくれます。散歩道にはヒノキ苔、杉苔、山苔など13種以上の苔も生えています。自然のリズムと体のリズムが合うと、人はリラックスできるという科学的な根拠もあるそうなので、ゆっくり愛でながら散策してみてください。

べにや無何有 Library 2

 また、平安時代、霊峰白山を祀る白山五院の筆頭寺院であった薬王院温泉寺は「薬師山」と呼ばれていました。僧たちが修行や学問に励む場であるとともに、温泉と薬草で人々を救った治療の場でもあったのです。この伝統を受け継ぎ、館内のスパ「円庭施術院」では温泉や東洋の生薬、薬草を調合して施術する薬師山トリートメントで、心身のケアを行っています。

べにや無何有 アメニティー

 アメニティーが充実しているのも女性客に喜ばれています。東京大学大学院化学生命工学博士・崔允聖氏とともに研究した「薬師山アメニティー」は、山代温泉のミネラルと数多くの天然成分を配合して開発した独自のものです。

「無何有」には、できれば連泊して、ゆったり心身をリフレッシュするのがおすすめです。食事はテラスのあるダイニング「懐石方林」で。シェフが腕を振るうカニや鴨料理など日本海の幸や、加賀野菜をたっぷり使った料理など、好みに合わせたコースを選べるのも魅力となっています。

 ほかにも魅力的な宿がたくさんあります。ぜひ一度と言わず、何回でも訪れていただきたいと思います。