フィンランドのデザインの特徴とは?

「Iittala」で扱うブランド

——日々の幸せをベースとすれば、たしかに合理的な考え方ですね。上質であることが最優先されることはわかりましたが、では、フィンランド的なデザインの特徴があるとしたら、それはどんなところにあるのでしょう?

ラウラ 時代にとらわれない、機能的で毎日の生活で使いやすい、そして天然素材を使うことでしょうか。

 ハッリ・コスキネンというデザイナーがいます。フィンランドで最も有名なプロダクトデザイナーのひとりなのですが、京都の烏丸にあるマヤホテルもデザインしています。サマーコテージをイメージして、木材やマリメッコのテキスタイルを使い、気持ちのいい空間になっています。この気持ちよさの理由はなんだろう? と見回してみると、木材の使い方もよいのですが、ディテールがすべて同じ形で統一感があるんですよね。ゴミ箱にいたるまで。何か派手なデザインなどはないけれど、誰にとっても使いやすく、ただただとても居心地がいい。毎日を豊かにしてくれる引き算のデザインがとてもフィンランドらしいと思います。さらに言えば、文字がないのです。だから疲れない。フィンランドのデザインは、人にやさしいそういうものが多いですね。

京都の烏丸にあるマヤホテル

——そういえばブランド名を書いたフィンランド製品って見ませんね。指示とか注意書きとかもないのですか?

ラウラ はい、ありません。フィンランドのサウナにも、文字が一切ないのです。そんなこと書かなくてもわかるでしょ? という人への信頼があります。わからなければ聞けばいいのです。そこでコミュニケーションが生まれますから。それにフィンランド人は外国人が来てくれると嬉しいから、すぐに教えようとしますよ(笑)。

「Iittala」で扱うブランド「Raami」

——コミュニケーションが生まれるところまで含んで、「デザイン」なんですね。

ラウラ デザインとすら見えないくらい。ましてや「ブランド」ではない。みんなが好きで、いいもの。長年大切に使えるもの。あえて言うならば、それがフィンランド的なデザインかな。