文=橋本優香

“カリスマ美容師”という一大ブームを作り出し、ブーム終焉後も、おしゃれな職業のイメージが継続する中で、“似合わせカット”の達人として活躍する、美容室『MISS ESSENCE』のオーナー、MAYUMIさん。今年で63歳を迎えるMAYUMIさんに「似合う髪型」を見つける方法をお伺いします。

10年連続個人売り上げは1億円を達成したMAYUMIさん。美容専門誌の調べでは、1年間の個人売り上げは日本一の記録も! カット料金は税抜き5万円と破格だが、連日予約が絶えない

大事なのは美容師への向き合い方と老化への自覚

 美容室に置いてあるヘアカタログ。どれも魅力的な髪形が並んでいますが、若いモデルばかりで、“自分対象”になっているのか疑問が湧くこと、ありませんか?

「人は誰でも老いがやってきます。40歳を過ぎて、若いあの頃と同じ髪型をして、似合っているのは皆無に等しいのです」という、MAYUMIさん。では、どうやって今の自分に似合う髪型を見つけるべきなのだろうか? それにはお客様の美容師への向き合い方と老化への自覚が大きく関係しているといいいます。

格言1:美容師に「おまかせ」は厳禁ワード。「傷んだところを切って」「前髪は目の上で」も禁止

 お客様であるあなたの好みを似合う形に進化させるのが美容師の仕事です。ただし、「伝えること」はお客様のお仕事。できるだけ明確にお伝えすることが大事です。まずは、できるだけ写真を使ってリクエストするべき。ファッション雑誌、スマホで見つけた髪型のキャプチャーなど、資料は細かければ、細かいほどいいのです。

 さらに「傷んだところを切って」「前髪は目の上で切って」も具体的なリクエストに聞こえますが、美容師にとっては曖昧です。特に経験の浅い美容師だと、もっと軽く考えていることがあります。「毛先1㎝を切ってほしい」「眉毛の上のラインに合わせて切ってほしい」などと具体的な指示が必要です。

 あと、注意すべきは、カラーやパーマの液剤の塗布後の待ち時間。美容師は塗布している間、他の人の接客や別の仕事をしています。カラーやパーマの失敗は放置時間の超過が100%といって過言ではありません。オーダーや確認をはっきり言うことが理想の髪型のキープにつながります。