理由④ 幼少時代からの豊富な国際経験

2021年11月14日、SLSスーパークラウン女子で3位になった西矢 写真=ZUMA Press/アフロ

 競技人口が少なく、練習環境にも恵まれない。世界的な名声を得られる国際大会も、日本で開催される機会は滅多にない。そんな状況で日本人スケーターが名をあげていくには、世界に飛び出していかなければならない。

 現在、世界のトップレベルで戦っている日本人スケーターの大部分は、小学生の頃から国際試合に参戦。アメリカに活動の拠点を移すスケーターも多い。東京オリンピック金メダリストの堀米雄斗もその一人。高校卒業と同時にロサンゼルスに移住し、その後、現地で住居を購入。庭には練習用のパークが設えられており、スケーターにとっては最高の居住環境といえる。

 だが、そんな堀米も渡米直後から恵まれた生活を送っていたわけではない。最初はカナダ人スケーターの家に居候。英語はほとんどできずに、どんな質問にも「Yes」と答えていたという。

 それでも、夢をもってアメリカに渡った以上、しっぽを巻いて日本に帰るわけにはいかない。人一倍トレーニングに励み、誰よりも長い時間スケートボードに乗った。その結果、世界を代表するスケーターに成長した。今では、英語も上達。試合後のインタビューも流暢な英語で答えられるようになった。アメリカでは日本以上に人気が高く、最近はジャズティン・ビーバーら世界のトップスターのイベントでデモ走行を披露するなど活動の幅を広げている。

 世界で成功をつかむには国際経験が重要。それも、早ければ早いほどいい。海外での生活は技術的なことだけではなく、何事にも物怖じしない精神力や語学力など、様々な面を鍛えてくれる。