(5)シャンパンファンの間で話題、正統派シャンパン

シャンパーニュ パルメ「ブリュット・レゼルヴ」

 この秋に日本上陸して、シャンパーニュファンの間で話題になっているシャンパーニュ・メゾン「パルメ」。とりわけこのブリュット・レゼルヴは、ほぼすべてのシャンパーニュの造り手(約4500軒ある!)が造るノンヴィンテージのブリュットという激戦区にて、専門家から最良の一本と、2020年に評価された経歴の持ち主。

 よく冷やして飲むことで、さわやかでありながら、計算された構築性をもった、なんともシャンパーニュらしいシャンパーニュだということに気づくはず。6900円(税別)という希望小売価格も戦略的。

販売元:都光

 

(6)イタリアの超高級ワイン「オルネッライア」は白もすごい

オルネッライア「ポッジョ・アッレ・ガッツェ・デル・オルネッライア 2019」

 スーパータスカンと呼ばれるイタリア発の超高級ワインの造り手のひとつというか代表格で、サッシカイア、グラッタマッコとともに、三大ボルゲリとも称されるオルネッライア。もはや芸術作品の域にあって、そうそうおいそれとは開けられないその名もズバリの「オルネッライア」を筆頭に、赤ワインで有名なのだけれど、白もすごい。

 この青い鳥がラベルに描かれた白ワインは「オルネッライア ビアンコ」というオルネッライアの一番高級な白(3万円くらいする)の次にくるもので、ちょっとは気軽(それでも1万円程度)なのだけれど、ほんの少し口に含んだ瞬間に、あ、これはヤバいぞ、と感じさせ、実際、ヤバいことになった。最初は清水の如き清廉の液体。次の瞬間、うわっとレモンのような、しかし酸っぱくはない酸味が膨らみ、シャキンと目が覚める。

 そして、その向こうに南国のビーチでジューシーなフルーツを味わっているワタシがいる……とおもったら今度は秋の芝生の香り、あ、あんなところにアスパラガスがひょっこり……そんな幻覚から醒めると上品な酸味とほろ苦さが⼝のなかにいつまでも残っている。

 ほんのひとくちでこの大旅行感。ブルゴーニュのシャルドネ仙人みたいな造り手が極稀にやってくる達人技のイタリアバージョンだ。年ごとに使われるブドウ品種が違い、2018年のこれは、どちらかというと桃をイメージさせるような、とろっとした甘くてジューシーな雰囲気をもっていたことを思い出す。ああ、毎年飲みたい!

公式HP:https://www.ornellaia.com/en/

 

番外編:1000本限定のアワビのジンが日本で飲める!?

エトナ マーレ「スピリット オブ アバロニ ハンドクラフトジン」

 アバロニとはアワビのこと。つまり、アワビのスピリット。お酒の種類的にはジンで、定番のジェニパーベリーとアワビで香り付けされている。出身はイタリア、シチリア島。最近、こそっと日本でも飲めるようになった。なにせ1000本しか造られていなくて、シリアルナンバー入り。参考小売価格は33000円(税込)。

 アルコールは、ルッセーロとチュミーナというシチリアの古代穀物から抽出したものなのだそう。なんともよくわからないお酒だけれど、飲んでビックリ。これが美味しい。ストレートだとちょっと濃密すぎ、水か炭酸水で少し割ってやると本領を発揮する印象。

 説明からしてアワビなのだろうけれど、海っぽい香りと旨味がやってきたあとに、ジェニパーベリーがどーんと広がり、そこから先はミネラリーな旨味とスパイシーさが続く。アワビ要素以外は素晴らしくピュアな蒸留酒。夏の夜のビーチ気分になれる! 冬だけど!

販売元:フードライナー