ミオ・マリートとのチャレンジもあり、どこかエキサイティングな2021ヴァカンツァも終わりました。2週間ぶりに我が家に戻り、ヴァカンツァはどうだったか尋ねると、次回はクルマではなく、飛行機でシチリアに行きましょう、と。イタリア人らしい返答に思わず笑ってしまった夏の終わりでした。

 そして、9月1日からイタリアもあいまいだったグリーンパスの運用が本格的にはじまりました。

 

そして秋になったイタリア。自由を尊ぶ国の今後

 10月になったイタリアの今ですが、すっかり景色も秋になりました。

 ヴァカンツァモードから完全に仕事モードに切り替わったこともあり、週末になるとリラックスした表情でバールでのカフェを楽しむいつもの光景です。

世界遺産でもあるモデナの大聖堂

 さて、10月15日を迎えたイタリア──各地で大規模なデモが起こっていました。ですが、少なくともミオ・マリートの勤務する会社では大きな混乱はなかったようです。

 会社の入口には、新たにパスを確認するスタッフが配置されていたり、グリーンパスのQRコードの読み込みリーダーが置かれていたりと、いつもとは違う光景だったといいます。

 会社の対応としては、グリーンパスがない社員にも週2日の出社はマストとしています。出社日に48時間有効なタンポーネ検査の陰性証明書の提示がないばあいは、出社は許されず欠勤とみなされます。

 この処置は本年末まで実施すると政府は発表したのですが、毎回のタンポーネの費用が15€なので、これではピッツァも食べられなくなるとデモの参加者の一部は言っているようです。また、偽物のグリーンパスが密かに出回るなど、なんともおかしな状況になっています。

 ちなみに15日当日のイタリア全体で、病気で会社に出社しなかった社員が通常より26%も増加したようです。それもそのはず、病欠は欠勤あつかいにはならないからです。そのあたりはイタリアらしいです。

 会社以外の通常生活するうえでも、規制があります。リストランテで友人と食事をするときは、店内を予約するけどいい? が常套句になっています。すっかり寒くなったイタリア、テラスでの食事はできないので、さりげなくグリーンパス確認の合言葉としているのです。

 そしてリストランテに入るときは、QRコードを提示し「ピー」という読み込みリーダーの音で入店が許されます。ということで、この音があらたな街の風物詩になってしまいました。

 15日以降、薬局の前にはタンポーネを希望するひとで長蛇の列が出来ている光景に、ミオ・マリートが「イタリアの自由はどこにいったのだろう」と放ったひとことが、まさしく、いまのイタリアなのです。

 これから年末へむけ、イタリアの自由はどのようなるのかはまた次回にお伝えします。ヴァカンツァでエネルギーはチャージしてはいますが、それは、このストレスで早くも使い果たしてしまいそうな予感がします。やはり早めに来年のヴァカンツァのプランを立てることは間違いないでしょうね。