グリーンパスの行方

 日本でいうと東京から九州あたりまでの約1300kmをトリップ。その一つの目的地は、シチリア島シラクーサにあるフォンターネビアンケ。いつもと違うヴァカンツァを選択したミオ・マリートは、到着時お疲れモードでした。それもそのはず、ヴァカンツァピークの8月とあって高速道路は大渋滞。シチリア島に渡る船に乗るのに3時間待ち、と渋滞嫌いのミオ・マリートにとっては過酷であり、さらに、途中にサレルモで一泊しての往路だったのです。ですが、到着した翌朝に目にした美しいマーレ(海)と花々が、イタリアの太陽のもと、美しいカラーグラデーションを織りなす光景に、疲れもどこかに吹っ飛んだようでした。

 疲れはビーチで癒すかのように、この日からビーチライフがはじまったわけですが、朝ビーチに行って、まずはパラソルをゲットし、暑くなったらマーレに入り泳ぎ、おしゃべりして、という一日をビーチで過ごすスタイルは、毎年恒例の過ごし方です。

 私たちはこのヴァカンツァではグリーンパスを持っていなかったので、リストランテでの対応に若干の不安があったのですが、シチリアにおいては、リストランテで食事をする際に、屋内、屋外と区別されることはありませんでした。まだ運用ははじまっていなかったのです。

 とはいえ、夏のシチリアでのディナーを屋内でと希望するひとはいないのですが。

ディナーの前はビーチでアペリティーボ(食前酒と軽いおつまみ)
夜が長いシチリア。ディナースタートは20:30以降から

 ただ、実際には2度ほどグリーンパスを求められ、入場できなかったのが美術館とドゥーモのツアーです。その際、ドイツやフランスからの観光客は入場できていたので、グリーンパスの運用がEU圏ではすでにスタートしているのを目の当たりにしました。やはり、イタリアでも確実に運用されるのであろうと感じた瞬間でした。

世界文化遺産に登録されているノートの街。奥に見えるのはドォーモ