「Amazon Go」のようなカフェテリア実現の背後にあるリテール領域のIoT

 リテール領域のIoT事例として、「Amazon Go」のような無人レジをカフェテリアにて実現したケースを紹介します。「Amazon Go」は非接触で会計・決済する仕組みで、「完全無人のコンビニエンスストア」として話題になりました。同様の仕組みを応用したカフェテリアでは、利用者が自由にチョイスしたメニューをレジでカメラにかざすと、画像認識によって自動的にメニューを判別し、決済できるという仕組みです。これをKPS IoTで実現したものが下図になります。

 上図中央のエッジの囲みの中に「機械推論」とあるように、機械学習推論モデルをエッジ側に搭載しており、画像認識に不具合があった場合は、異常部分のみクラウド側に上げて改善に生かします。季節などにより頻繁に変わるメニューに対応できるようにリアルタイムで機械学習推論モデルをアップデートしたいという要件をKPS IoTがかなえたことが、採用の決め手の一つになりました。

 さらに大きく二つの要件がありました。一つは、カフェテリアが各国に展開するレストランチェーンであり、分散したエッジを一括で管理したいというもの。もう一つは、他社に先駆けて展開するためにアプリケーション開発の俊敏性を確保したいというもの。これらのケイパビリティーをKPS IoTのプラットフォームが提供できた事例になります。

 また、流通のIoT事例として、Amazonの「お急ぎ便」のような仕組みをエンドユーザに提供するための倉庫ソリューションがあります。これは倉庫側に取り付けられた一般的な防犯カメラを用い、荷物を載せる木製のパレットが荷物の搬出エリアに滞留していないかをチェックするものです。「お急ぎ」としてカテゴライズされた荷物が搬出エリアに長時間滞留している場合には、即時に搬出するよう現場の作業者に対して通知を行います。これも防犯カメラの画像からパレットの有無を検出するために機械学習モデルを使い、KPS IoTを使って実現しています。KPS IoTは、シンプルなアプローチとアーキテクチャーであり、大規模に分散された環境でも適用できます。IoTプロジェクトにおけるKPS IoTの重要性は、ますます高まっていくことでしょう。

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