日本の企業がデジタル変革するために必要なこと

KDDI自身の経験を生かし、日本企業のDXを支援・共創する

JBpress/2019.3.27

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KDDI株式会社 経営戦略本部 KDDI DIGITAL GATE センター長 山根隆行氏
2009年、KDDIに入社。以来、法人向けサービス企画に従事。2013年、アジャイル開発チームの立ち上げに、企画メンバーとして参画。2017年までアジャイル開発手法の一つである「スクラム」のプロダクトオーナーを務める。2018年4月、経営戦略本部に移り、「KDDI DIGITAL GATE」の立ち上げに参加し、同年9月より現職。

※本コンテンツは、2019年3月1日に開催されたJBpress主催「Digital Innovation Forum 2019 <春> ~デジタル変革によるイノベーションの実現~」での講演内容を採録したものです。

KDDIが実践してきた最大のチャレンジは
自らを根底から変えること

 デジタルとビジネスの融合はどんどん加速しています。成功事例として多くの方が注目するAmazonやUberなどを筆頭に、既存のビジネス境界線を超えたディスラプターが登場し、グローバルな異業種間競争が激化しているわけです。日本企業も大急ぎで変わっていかなければなりません。

 KDDIは光栄なことに、有力ベンチャー企業481社を対象に実施された「ベンチャー連携を通じたオープンイノベーションに積極的に取り組んでいる大企業人気ランキング調査」(イノベーションリーダーズサミット実行委員会、経済産業省)において、「イノベーティブ大企業ランキング2018」で第1位という栄誉を授かりました。これは私たちがこれまでさまざまなチャレンジを実践し、試行錯誤してきた結果です。本日はKDDI自身が実行してきたトライの一端についてお話をさせていただきます。

 私たちが最初に突き当たった課題は「今のままのKDDIで本当にデジタル変革できるのか」という根源的なものでした。例えば米国の先進企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を成功させているといっても、そのまま同じやり方を持ち込めば良い、ということにはなりません。

 そもそも、ユーザー企業に72%のIT技術者が在籍する米国に比べ、日本はその逆。IT技術者の75%はITサービス企業に在籍しています。つまり、そもそものIT環境が大きく違うわけです。それでも「新しいことをしなければ」ということで、企画部門はどんどん新しい要件を詰め込もうとし、開発部門は作ること自体が目的化していったのです。気が付けば時間ばかりがかかってしまい、新規サービスを運用するチームに下りてくる頃には市場のニーズが変化してしまっていた、という失敗事例を重ねていたのです。

IT環境の違い|出典:独立行政法人情報処理推進機構「グローバル化を支えるIT人材確保・育成施策に関する調査」2011年3月、2012年10月「ITpro EXPO」メインシアター中田敦氏講演
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 そこで2013年から取り組んだのが、KDDIの組織そのもの、働き方そのものを変革しよう、というものでした。つまり「小さく、早く、トライ&エラーをいとわない」というアジャイルな組織への変貌です。企画・開発・運用の役割を部門横断で包含した複数のスモールチームを構築し、このビジネスとデジタルが一体となった自律的チームのそれぞれが高速回転していく「スクラム」という手法を採用。当初5名で立ち上げたこの取り組みを、約5年間で200名/20チーム体制にまで拡大したのが、当社のアジャイル開発センターです。さらにその過程で、IT・デジタル領域の有力ベンチャー企業との共創関係もまた広げていったのです。

 私たちのチャレンジは今もなお続行中ですが、それでも一定の評価をいただいたことを誇りに思っていますし、自分たちの組織や働き方に変革のメスを入れ、そこに共創パートナーという力強い味方を得たことで達成したものと自負しています。そして、私たち自身が体感した変革プロセスと、そこで得た知見をより多くの企業の方々と分かち合うべく、2018年の9月、新たにオープンしたのが「KDDI DIGITAL GATE」です。