日本の「起業力」教育、まず教師の育成から着手せよ

数字で見るオープンイノベーション(12)

市川 隆治/2019.2.12

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ブリュッセルの欧州委員会本部。しかし、EUの各総局(DG)はここには入りきらず、周辺の建物に分散して入居している。教育文化総局もそうであった。

 日本のオープンイノベーション促進には何が必要なのか? 通商産業省/経済産業省で貿易振興、中小企業支援などに携わり、現在はベンチャーエンタープライズセンター理事長を務める市川隆治氏が、諸外国の実例とデータに基づき、オープンイノベーションの環境について議論を重ねていく。(JBpress)

【第11回】「高校生への『起業力』教育が日本の社会を変えていく」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54956

スタートが遅い日本の起業力教育

 ベンチャーエンタープライズセンターは、毎年ベンチャー企業に対してアンケート調査を実施し、その結果を「ベンチャー白書」に掲載しているが、今回は初めての試みとして、ベンチャー企業創業者に対して「起業に至る経緯等の調査」を実施した。その中で2つの項目について注目したい。

 第11回の記事において、スウェーデンの Chalmers School of Entrepreneurship の教授の話として、「ヨーロッパでは起業力教育は“Value for others”に力点が置かれているが、米国では“Value for myself”に力点がある。そこに米欧間のニュアンスの違いがあり、日本人の思考回路はヨーロッパに近いと言えるのかも知れない」と紹介した。

 そこで、次の「起業の動機」についてのアンケート結果を見てもらいたい。

出典:「ベンチャー白書2018」
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 日本においても、「経済的な成果を得たい」という動機は4分の1に留まり、「社会的な課題を解決したい、社会の役に立ちたい」という回答が6割を占めている。ヨーロッパとの親和性が見られると言ってもいいのではないだろうか。