Capture, Curate, Consume.
~ データを使って競争力を高める ~

データを利活用できていますか?

 “スマート”で称されるスマートツール、スマートカー、スマートフォン、スマートビルディングなどのデジタル化されたデバイス・サービスは、扱えるデータ量や多様性、速度がこれまでと比較して格段に向上しています。

 私たちの課題は、ビジネスの持続的な成長を実現するための新しいデータ利活用の準備ができているか、ということです。

 押し寄せる新しいデータの波は、ビジネスにとって刺激でもありながら、新たな課題にもなっているでしょう。自社のデータを認識できていますか?またそれをどのように活用できるかわかっていますか?・・・膨大な量の企業情報がいわゆるダークデータとして未開発であると、ビジネスチャンスを逃しかねないことになります。

 新しいデータバリューチェーンの確立により、ビジネスの加速やデータ活用の拡大が期待できます。次の3つのポイントを押さえましょう。


CAPTURE(収集)
組織内外のデータをリアルタイム(またはニアリアルタイム)であらゆる形式、量、速度で収集して、識別、発見、取得、そして理解します。

CURATE(処理)
機械学習とAIテクノロジーの能力を活用して、複数のビジネスシナリオのデータを迅速に処理し、データの信憑性を確立し、すべての利害関係者に信頼できるデータを提供します。

CONSUME(利活用)
これまでは不可能であったさまざまな方法で、必要なときにデータを利活用します。


 CAPTURE、CURATE、CONSUMEのプロセスが円滑に動き始めると、データドリブンな新しいサービスや破壊的なビジネスモデル(Uber、Airbnb、Netflix、Alibabaなどが実現)を構築できるようになります。

まずは現状と向き合いましょう!

 新しいデータバリューチェーンの確立は、ビジネスをスピーディに多岐に渡って成長させることができるため、アジャイルで反復的、リアルタイムかつスケーラブルなデータ基盤への投資はとても有意義です。

 これを実現するためには、次のような問いに対して向き合う必要があります。

  1. データバリューチェーンがどの程度広がりを持っているか(まだ閉塞的な環境下にないか)を把握できているか?
  2. 規制当局などを含むすべての内外の利害関係者は、ほぼリアルタイムで正しいデータを取得できているか?
  3. 企業全体のデータを俯瞰して、すべての側面を完全に把握できているか?
  4. どの程度のデータをビジネスで最重視する資産の1つにすることができるか?

 すべての新しいビジネスモデルにおいて、データは急速に重要なコンポーネントになりつつあるため、ただちに向き合い取り組む必要があります。

デジタルネイティブである
必要はありません

 多くのデジタルネイティブ企業が、非常に魅力的な顧客体験に向けたビジネスを行っています。

 これらのデジタルネイティブ企業は、タクシー、不動産、本、銀行などを持ち合わせていませんが、顧客に提供するさまざまなサービスにおけるエクスペリエンスを把握しています。

 これらのサービスの裏側には、アジャイルで、反復的でリアルタイムな境界のないデータバリューチェーンが必要です。これによりビジネスをデータドリブンにした結果、複数のソースからのデータを組み合わせ、リアルタイムでデータセットを作成して、価値や需要に基づいた動的な価格設定を顧客に提供することができます。こうした企業は、企業データからパーソナライズされた製品やサービスをすばやく導出し、内部運用を強化することさえ可能にします。

 現在、デジタルネイティブ企業と同様のエクスペリエンスを目指すほとんどの従来型ビジネスが直面している最大の課題は、データ環境が指数関数的に成長・肥大化していることです。それは非常に複雑でサイロ化し、テクノロジーについては個別に最適化されたさまざまなソリューションが散在しています。

 このような状態から、データ全体の何パーセントが実際にビジネスに活用されているのかさえ知らなかったり、時点の異なるデータがさまざまなところで扱われていたりします。

 こうした企業では、収益に繋がる膨大な量のさまざまなダークデータが認識されていない可能性がありますが、これらを活用することで、生産性向上、非稼動時間の短縮、顧客の行動、機器故障、また今後のマーケティングキャンペーン成功割合を予測することができます。つまり、境界のない適切なリアルタイムデータから得られる価値は非常にたくさんあるのです。

インテリジェントなデータバリューチェーンを確立しましょう

 業界問わず多くの企業がビジネスのスピードに合わせた新しいデータバリューチェーンを構築できるように、アクセンチュアのソリューションを使用して、データ収集全体を合理化し、反復的かつ協調的な方法で処理して消費・活用し、ビジネスの継続に必要な柔軟性を提供します。


 このソリューションは、複数のデータソースからビジネス環境にストリーミングされるさまざまなタイプの構造化/非構造化データ(コンテキスト、ソーシャルメディア、ビデオ、テキスト、オーディオなど)の収集を自動化します。

 また、各データ要素(たとえば、石油・ガス業界の場合は特定の井戸のポンプ圧力または地震データ、GDPR準拠の場合は個人を特定できる情報)の系統を、データ発生時点から複数のエンティティによる処理、さまざまな利害関係者による活用までを構築するのに役立ちます。さらに当ソリューションは、データ要素ごとに企業全体で相互接続されたデータを可視化し、その起源やフロー、使用者やその理由、保存場所を管理します。

 処理においては、データの信憑性を確立します。ML(機械学習)を活用して、既存データの異常、不正確なログの場所、およびその情報が使用されている/使用されていた場所を特定することが可能です。データは、精度、完全性、コンテキスト、その他基準などの多数の信憑性指標において、品質、リスク、および関連性などのスコアで評価することにより、すべての利害関係者が真の情報を把握し、「正しい」データを作成するのに役立ちます。

 データの信憑性は、業界のベンチマークとも比較され、業務生産性、運用システム効率、輸送システムのボトルネック・非効率性など、改善・強化すべき領域を特定するのに役立ちます。処理の結果、データは内外の利害関係者によって信頼され、自信を持って活用されるようになります。

 さらに、データインフラの最新化とデータガバナンスの計画とともに、企業のデータ戦略策定が必要です。多くの企業において未だ軽視される傾向にあり、企業は「新しいグローバルデータガバナンス対策を理解し、ビジネス活動がこれらの対策に準拠していることを確認するためのポリシーを組み込む」ために必要な時間と労力を投資できていません。(参考文献1)これを適切に行うことが、ペナルティに直面するか、コンプライアンスを競合他社との差別化要因とするかの明暗を分けることになり得るのです。

差別化のための新しいデータを
活用しましょう

 ビジネスのスピードにおいてデータを活用できないのであれば、企業内にどれだけデータがあっても意味がありません。新しいデータバリューチェーンは、さまざまな業務の多くの側面を合理化し、組織全体でデータドリブンの考え方や文化を発展させるのに役立つ基盤です。

 最も重要なことは、経営陣がこれまで予期していなかったビジネスチャンスに向き合い、企業に競争力を与えられる破壊的なビジネスモデルを構築することです。

参考

1. Joe McKendrick, “Proper Care And Feeding Of The Data Beast, Too Often Overlooked,” April 24, 2019.

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