Boost Data Veracity, Bring Your ‘A’ Game
~ データの信憑性向上によるビジネスの実現 ~

“正しい”データ

 AI(人工知能)の源泉は間違いなくデータに他なりません。AIが貧弱なデータを利用していれば、望ましい結果が得られないかもしれません。

 昨今のAI活用における失敗の多くは、データの信憑性が低いことが原因であると知られています。以下のような事例が報告されています。

 これはAIだけの問題ではありません。実際、分析結果はエンジンに供給されるデータと同じくらい優れていることがわかっています。

 ではどうすれば良いのか? AIによる意思決定の採否に関係なく、来歴や整合性、コンテキストに基づいた「正しいデータ」を確立するための仕組みが必要です。

 これには、データ品質の確保が欠かせません。データの信憑性を格付けし、ライフサイクル全体を通じてデータの系統(リネージュ)や監査機能を確立し、データの存在、利用、維持にかかるコンテキストを決定する必要があります。

 これらすべてが整っていないと、企業は、データの可能性を最大限に活用したビジネスを実現できません。これがなぜそうなのかを見てみましょう。

部分的な洞察によるビジネス機会損失

 多くの組織は、低いデータ品質、データ分析機能の不足、また、データ量や所在に対する認識不足により、エンタープライズデータの可能性を最大限に活用できていません。

 さらに、データを収集(Capture)、処理(Curate)、および活用(Consume)するために多数の個別ソリューションを用いている場合、ビジネス全体における利害関係者に1つのビューでデータを提供することができません。

 昨今の多くの組織は、以下のような課題に関連して、データを中心としたビジネス整理に苦労しています。

 組織がエンタープライズデータのすべての側面を完全に可視化し、「正しい」データに基づいてビジネス上の意思決定を行う場合、データバリューチェーン自体を、継続的で反復的かつ協調的なプロセスとして計画し、運用する必要があると考えています。さらに、採用されるソリューションは、データの信憑性を確立し、収集から処理、オンデマンドでの活用までを合理化できる必要があります。

データの信憑性でビジネスを向上させる

 一般的には、データ品質を向上させると、信頼できるものになると言われています。しかし、品質は1つの要素にすぎず、データの信憑性を確立するには、データに対する全体的なアプローチが必要であると考えています。

最初に、
組織のデータランドスケープを検出して収集し、データの系統、パターン、および外れ値を検出するための機械的なスキャン機能が必要です。さらにより深いレベルでは、重要なデータ属性を押さえ、企業全体で接続されたデータのつながりや整合性を整理する必要があります。

次に、
データの信憑性スコアを測定して評価する前に、主要な属性とそのサブ属性に対して、包括的にデータを評価および分析できることが重要です。

 ML(機械学習)やAI(人工知能)を使用することにより、次のような属性を把握することが可能となり、その結果としてデータの信憑性スコアの測定を可能にします。

 このような測定・把握により、データの信憑性マップと、早急な修正が必要なリスクの高い領域について、非常に包括的な「現状」を把握することができます。また、他社と比較したときのポジションを把握するためには、データの信憑性スコアを同業他社のスコアと比較することが重要です。

小さな対策から大きな影響へ

 ほとんどの企業は、エンドツーエンドのデータ活用ではなくむしろ、目前の最も差し迫った課題に対する取り組みから始める傾向があります。多くの場合これは、業種や業界に関わらず、何らかの形でデータの信憑性の低さに関連しています。

 ある多国籍の消費財企業は、契約管理システムの誤データに起因する収益の漏えいを解消する必要がありました。問題の多くは、発注書と契約書の内容差異であり、バージョン違いの同じ契約書が複数存在している場合もありました。また、情報が不完全な契約書もありました。アクセンチュアは、当該企業の問題点を包括的にアプローチし、データ検出プロセスの自動化や異常データの特定によりデータの信憑性を確立し、データガバナンスを標準化し、修復ロードマップを作成しました。

 ある大手通信会社は、サイロ化された不正確なデータにより収益低下や請求エラーを引き起こしていました。この問題に対する人手での対応は、コストがかかりすぎることが判明しました。アクセンチュアは、サイロ化された多くのデータをクリーンアップし、いくつかのデータ収集機能を自動化し、データの整合性確立を支援しました。

 どちらの場合も、アクセンチュアのソリューションは、データとそこから得られる洞察を信頼できるものにすることを目標とし、業績改善・向上に寄与することができました。

ビジネスを変える洞察

 データの信憑性を確立することは、真にデータドリブンなビジネスとする上で重要です。データドリブンの洞察は、今まで想像もしていなかった可能性を明らかにするでしょう。

 これは、次のような変化により、これまでにない高生産性および高収益性のビジネスをもたらすと考えます。

 今こそ、「正しい」データをビジネスの最優先事項にしましょう。

参考

1. Jeffrey Dastin, "Amazon scraps secret AI recruiting tool that showed bias against women," October 10, 2018. https://www.reuters.com/article/us-amazon-com-jobs-automation-insight/amazon-scraps-secret-ai-recruiting-tool-thatshowed-bias-against-women-idUSKCN1MK08G Accessed May 22, 2019.

2. James Vincent, "Twitter Taught Microsoft's AI Chatbot to be a Racist Asshole in Less Than a Day," March 24, 2016. https://www.theverge.com/2016/3/24/11297050/tay-microsoft-chatbot-racist. Accessed May 21, 2019.

3. Gary Horcher, "Woman Says Her Amazon Device Recorded Private Conversation, Sent it Out to Random Contact," May 25, 2018. https://www.kiro7.com/news/local/woman-says-her-amazon-device-recorded-private-conversation-sent-it-out-to-random-contact/755507974/. Accessed May 21, 2019.

4. Lex Davies, "Tesla's Latest Autopilot Death Looks Just Like a Prior Crash," May 16, 2019. https://www.wired.com/story/teslas-latest-autopilot-death-looks-like-prior-crash/. Accessed May 21, 2019.

5. Meriame Berboucha, "Uber Self-Driving Car Crash: What Really Happened," May 28, 2018. https://www.forbes.com/sites/meriameberboucha/2018/05/28/uber-self-driving-car-crash-what-really-happened/?sh=2a20a6e94dc4. Accessed May 21, 2019.

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