アフターコロナで世の中はどう変化していくのか

 では、オフィスでは今後どのような変化が起こっていくのでしょうか。たとえば、レセプションです。

 こちらは音声とカメラが一体型になっているモニターを置くことで、オフィスに来たゲストの方が受付の方と対応されている例です。受付の方がオフィスにいる必要はないため、家庭にいながら受付業務をすることができます。時間と場所の拘束を受けることが少なくなるため、子育てや介護をされている方々や、一度リタイアされて新たな仕事を探されているような方々でも働きやすい環境を実現することが可能になります。

 次は、感染症が終息した後の会議環境のお話になります。終息後は、オフィスに戻って会議室で会議をするというケースも出てくるかと思います。それを想定した上で、会議ソリューションの中に「会議室の環境をモニタリングする」という機能が組み込まれるようになってきています。

 たとえば会議室に入ってくる人数を自動計測してカウントしたり、温度や湿度、CO2などの環境をモニタリングしたりすることができます。また、リモートで参加している方々や会議室の顔認識をカメラで行って分割をするという技術も開発中です。5Gの登場によって、こうした映像処理の技術も回線が高速化しより安定的になってきますし、スムーズな形でご利用いただけるかと思っております。

 我々が考えるアフターコロナの世界は、「オンラインとオフラインのハイブリッド型」を想定しています。オフィスにおいては、オフィスに出向く方のより効率的な利用率や出勤率を計測したり、先ほど挙げたような、在宅で仕事をせざるを得ない方のリソースとして有効活用したり、といった具合です。このハイブリッド型が理想的な形になるのではと思っております。

 既にハイブリッド型が実施されている大学として、ハーバードビジネススクールの例があります。先生は教室にいてオンライン・オフライン両方の形で授業を行っていて、学生も実際に来ている方もいれば、リモートで受講している方もいます。おそらく、アフターコロナの世界では、このようなスタイルがいろいろな分野で日常的になっていくのではないか、と考えています。